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議会活動

平成29年予算委員会

議会費 要旨

1 白黒つける為にも、議員vs議員の討論を実現することについて

予算の裏付けのない無責任な提案をする議員や、真っ向意見が対立する議員とは議論させて頂きたい。絶対前提や共通認識を醸成する為にも議員間の自由討論の場を設けては如何か。議員の本分は妥協と調整ではなく、議論と選挙だ。議会の注目度を集めることにも資する。

全文

◯委員(赤坂大輔君)

 よろしくお願いします。

 私の質問通告書で、白黒つけるためにも議員対議員の討論実現をということで、多くの方から何をするのという質問を受けまして、きょうもトイレで2人ぐらいに、「穏やかじゃないね、何を仕掛けるの」みたいな話がありましたけれども、もう少し国語力というものをつけていただいて質問していただきたいと思います。「こくびゃく」ってわかりますか、黒白です、黒が悪で白が正義、私がここに黒白を決するとか、黒白を争うというふうになったら、正義か悪かを決着つけようじゃないかということです。白黒つける、もともとの語源は囲碁ですからね。どちらが優勢か、どちらが勝っているかということをしっかりつけていこうよという、これはごく穏便な言葉でありまして、昔は黒が先手だったんですね。圧倒的に黒の方が有利だったから、白は逆転しないと勝てないということです。議会においても白黒つけるという言い方は穏便な言い方だろうと私は思っていまして、こだわっているのです。

 先日、議会報告会が行われましたが、何人ぐらい来ましたか、60人来ていただいたと。議長はじめ関係者の皆様のご努力には、私も同じ議員として、敬意を払います。これから劇的に増えて、100人を超える人が見に来るようにもなかなか思えない中で、私としては、議員になって10年になりますか、10年以上前には、自覚的な港区の知り合いがいない中で、私なりに港区の知り合いをつくってきました。私、ほとんど議論で友達をつくってきまして、味方か敵かを随分分けながらやってきて感じるのですけれども、やはり一般有権者というのは、地方議会に興味がないのです。そんなに地方議会って劇的に人目そばだてるような話題もないですからね。ただ、議員に対する興味というのは非常にあるわけです。調整とか対話ではなくて、我々議員が常に思っていなければいけないのは対立と選挙です。議員が対立しているところを見たい、議員同士が議論しているところを見たいのです。議論した後に、お互いを認めていこうではないかという、そのような議論の場所が全然なかったのがこの議員生活の10年間退屈だったなという部分です。よく私、この場でも、鼻つまんで通り過ぎたようなものだなと言っていたけれども、退屈だったなと。

 中学校1年生のときにすごく変わった先輩がいまして、26歳なのにまだ在学しているのです。司法試験を受けているのだけれども、数学とか国語とかという科目を受けないという信条を持って受けないから卒業できないのです。私は浦安の入船中学校というところの出身ですけれども、その方が、運動会は義務ではないからやめようということを、生徒総会で言い出して、全校集会です。校長先生とか教頭先生がすごくいい方で、生徒同士で議論しようではないかと、一人ひとり発表して、議論していくわけです。口角泡飛ばして生徒同士議論しました。当時、私は中1でしたけれども、私なりに意見を言ったりしました。

 その後、この続きはあした続けますって、その日の夜の興奮はなかったですね。翌日は、運動会やるか、やらないかと。運動会やるの面倒くさいからやめようよというムードがあったのだけれども、ある先生が、「勉強できないやつがヒーローになるのはこれしかないんだ」と熱いことを言って、最後は直接選挙をして、運動会をやることになりました。別に直接選挙で生徒が運動会をやらないと言ってもやっていたとは思いますけどね。

 そのときに感じたのは、竹刀持って、頭の中まで筋肉みたいな体育の先生だとか、教条主義的なインテリぶった数学の先生なんか何の役にも立たなかったということです。やはり議論を交わすということ、そして、そこから導き出された運動会は、ことさら盛り上がったように私の少年時代の思いとしてあるのです。

 議会で議論できない、私、新人のときにいろいろ議論吹っ掛けようとしたら、そういうのやめなさいとか、時間がないんだとか、随分たしなめられてきました。10年ですか。委員会で議員同士の議論をすることは取り立てて禁止されていないわけです。その辺はご認識いただきたいと思います。委員会でそうなりそうになると急になだめられたりすることがありますが、委員会で議員同士の議論はいいのです。

 私が今言っていることについては、やりようはいろいろとあると思うのです。別の場所で議員が前提条件を討論し合うことが必要なのではないかと思うのです。例えば、少子高齢化の問題なんて、これからいろいろな款で多分出てくると思うのですが、少子化対策に何がいいですかと言ったときに、判で押したようにここにいる議員の皆さんは保育園をつくりましょうと言います。私も議員になって9年たって、9年が終わって10年目になる中で、過去6人の方が、少子化を克服するために、託児所や保育園をつくるべきだと言いました。もういない方もいらっしゃいますけれども、その6人全員に、その根拠を教えてくださいと聞いています。でも、誰も、そのデータなり根拠を私に示した人はいない、実際そのデータがないのです。

 1つあるのです、阿藤誠さんという人口学の権威とされている方が、2000年に出された現代人口学という本の202ページに載せています。そこには、女性の就労率が高ければ高いほど出生率は高くなるというデータが載っています。そして、そのデータが唯一なのですが、それが孫引き、また孫引きされて、実際、出典がわからないぐらいになって、今、人口に膾炙しているわけです。

 託児所をつくると少子化が解決する、子どもが増える。これは全然違いますよね。女性の就労率が上がれば子どもが増える、がゆえに、保育園が必要だという安直なオチでしょう、で、保育園が必要だということになる。でも、その前提のデータが、今は否定されている。なぜかと言うと、OECDの加盟は今34カ国ですけれども、当時30カ国でしたが、このデータでは、そのうちの11カ国のサンプリングしかしていない。それも北欧中心です。そこにサンプリングとして使用されていない国はオーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、ギリシャ、アイスランド、ルクセンブルク、メキシコ、ニュージーランド、スイス、トルコなどです。すごく恣意的な、そして、出生率が1.5から2.1の非常に出生率の少ない国をサンプリングしてデータ化している、これ自体はデータとして成り立たないということを、現在では阿藤氏本人も認めているという体たらくです。結局、OECD加盟国、現在の34カ国、当時の30カ国でも、先進国首脳会議に出席している国にしても、G8の3カ国でもGDP30位まででもいいですよ、何をやったって、女性の就労率が上がれば出生率は下がるってなるのです。別に就労率を上げることが悪いとか、下がることがいいとか、そんな議論をしているわけではないですよ、データの使われようの話をしているわけです。これを常に私は言っていて、話し合ってから、この委員会の場で、皆さん質問すればいいのに、そもそもないようなデータを思い込んで、信じ込んで、これからこのあとの質疑で展開されるわけでしょう。これは、議論の場があったらいくらでも話しできたはずですよ。それ、間違いなく間違えているなと思いながら、私ずっと聞いているんです、ここでね。それで、委員会が終わった後や、休憩のときに、「すみません、そのデータって何ですか」と言ったら、次から顔を合わせないで、気まずそうにいなくなるわけです、私の前から。

 だから、委員会などで話し合いをする前に、やはり共通認識、共通意識、最低限の知識、データの共有を図る意味でも、議員の討議、討議のやり方はいろいろあると思うんですよ、全員参加にするとか、会派ごとに出るとか、質問時間とか、いろいろあるでしょう。議長が仕切るのか、委員長が仕切るのか、仕切る際の指名の仕方なども、いろいろ工夫は必要だと思うのです。

 それはさておき、議員同士での討議が実際行われている他自治体の事例を教えてください。



◯区議会事務局次長(中島博子君)

 他議会での議員間の自由討議についてですけれども、執行機関提案の審議において、議員側が執行機関に質問するだけではなくて、議員間同士でも討議して審議を深め、議会としての共通認識及び合意形成の醸成と議員の資質向上を図ることを目的として、政策討論会や議員間討議を議会基本条例に位置づけている議会があります。しかしながら、議会基本条例には規定しているものの、現実に自由闊達な議員間討議が行われている議会は少ないようです。23区内では、荒川区、板橋区が議会基本条例を制定していますが、まだ議員間討議の場は開催されておりません。近隣の市議会では、流山市議会、所沢市議会が開催しており、流山市議会ではダイヤログ型という手法を用いて、各自が前向き、建設的な発言をすることをルールとした対話によって、積極的な政策立案や提言につなげているようです。



◯委員(赤坂大輔君)

 これからですね。

 もう一つ質問ですけれども、議員同士が議論した場合のメリット、そしてデメリットについて事務局はどのようにお考えか教えてください。



◯区議会事務局次長(中島博子君)

 議員間討議におけるメリットでございますが、議会側から議案の修正や政策型の議員提案が生まれ、議会力の向上が期待されるところがございます。デメリットにつきましては、明確にはまだ把握できておりませんけれども、こうした議員間討議を定着、充実していくためには、討論が深まるように進行するファシリテーションの技術を身につけるための研修、訓練が必要と思われます。議論をする議会にとって、議員同士が活発に意見交換をし、共通認識を醸成する場を設けることは大切なことと思います。



◯委員(赤坂大輔君)

 今後の検討課題ではあるのですけれども、先ほど1つの事例を挙げましたが、例えば、安全保障関連法案につきましても、私はすごく楽しかったですけれども、総務常任委員会での請願審議の際には、ほとんどの方は敵という感じでやりとりをして、本当に気持ちがよかったです。そのようなときに、ある程度、共通認識があって、実際の法律とか法案とか、そこがわかっていないと、傍聴人とか請願者の前で恥をかくわけですよ、そういうことです。

 言うのを忘れましたけれども、私自身は、過度に一般区民が政治に興味を持っている状況が必ずしも良いとは思っておりません。胃が痛いときに初めて胃の存在を感じるように、政治って、うまくいっていれば、一般区民は政治のことは考えないものです。私が小さいときは、政治の質問をしたら「そんなの子どもだから知らなくていい」と大人に言われました。政治的なことでさかしらぶって息子たちが私になにか言ってきたら、「そんなことガキは知らなくていい」って言いますよ。

 ということを前提にしながらも、議会報告会などは、我々の議会という形式が、民間の発想のままで見てもらうと、甚だ機能的ではないかもしれないけれども、さまざまな意見を交わす中においては着地点を決めないといけない、民間の発想は違うんだよということをしっかり認識させないといけない。議会自体の存在意義が問われているわけですよ。そういう意味でも、注目を集めるためにも、間違いなく言えますよ、観衆が300人、500人、500人は無理だな会場がないから、一気に100人を超えますよ、議員対議員の討論ですよ。何でもいいですよ、港区の高さ制限でも、港区の事案に関して、誰VS誰というね、地域ごとでもいいです、以前、赤坂の青少年対策地区委員会で私同じようなことを言ったら途中でマイクの電源を切られましたけどね。こんなに議員集まっているんだから、当たり前のつまらない挨拶させてないで一回討論させてくださいと、ポカーンと座っている地域の重鎮たちがいらっしゃるけれども、そうじゃなくて、議員同士の討論会の場面でも開催してくれたら私が一気に決着つけますからみたいなこと言った瞬間、バチッと切られたんだけど。

 とにかく、地域ごとでもいい、麻布の人は麻布でもいい、そこに乗り込んでいってもいい、とにかく議論させて、私が言う白黒つけて、そして、アウフヘーベンですかね、否定対否定をあわせていいものを持っていくとかね、そういう矛盾と矛盾をあわせていいものに持っていくとか、そういう意味合いでも、異なる意見を持つ者同士が生で議論を交わすという、本来、我々議員になったときはそういうことをしたいと思っていたんじゃないですか、皆さん。そういう原点に帰って、こういう場所でできないにしても、また別に場所を移して、議会報告会みたいな形でできると私は思うのです。議長、まだ任期があると先ほど林田先生もおっしゃっていましたけれども、そのあたりを工夫していただきたいと思います。議長、もぞもぞしてないでその辺りよろしくお願いいたします。

 以上です。