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平成29年予算委員会

共産党提出の修正案に対する質疑 要旨

1 75歳以上医療費負担ゼロ案には反対する

全文

◯委員(赤坂大輔君)

 共産党提出の修正案に対して質問致します。75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにすることについてです。

 75歳以上の高齢者の医療費負担をゼロにするということに関しましては、高齢者の皆様の今までの苦労に報いたいという情実がどうしても絡んでくると私自身認識しているのですけれども、それと同時期に、高齢者の方々のそういう思いもあるのでしょう。

 私が議員になったばかりの時でしたか、後期高齢者医療制度の75歳以上を3割負担にするということで、それに反対するという請願が出ました。高齢者の方が多く委員室に来て、「俺たちを姥捨て山に送るつもりか」と怒号が飛んできました。私はそうゆう不勉強な思い込みと自分勝手さがあいまった意見に嫌悪感を覚えましたので反論しました。姥捨て山の話は皆さんご存じだと思いますけれども、あれは実話なのだと。ご存知ですかと。そしてこのように述べました。長野県に冠着山という山があり、そこが姥捨て山の舞台となった山です。かつて川中島の戦いがあった場所のすぐ横にあるので、出版社勤務時代にそこに取材に行ったことがあります。長野県には様々な民俗工芸品があって、こけしが有名なのですが冠着山周辺の地域だけこけしがないんです。なぜかというと、間引きをしないからです。口減らしの為に間引きをする、子どもを生まれた瞬間に殺す、その供養のためにつくったのが最初ですから。この周辺の村々には「こけしがないですね」と説明員さんに話したら、説明員さんが「よく気付きましたね」と。要するに非常に貧しい地域なのですが、口減らしとして自分の孫、ひ孫が殺されるのは忍びないと老人自らが山に去ったという、本来美談だったという話をした記憶があります。「姥捨て山に送るつもりか」と怒号を飛ばしていた方のメンタリティとは本来の姥捨て山の話は真逆だったのでその方は泡食って黙ってましたけどね。

 国でも年間40兆円の医療費がかかって、3分の1以上の14兆円は、今75歳以上の方々が使われていると。どう考えてもこれから高齢社会を迎えるわけで、人口構成がいびつなわけです。ですから、どうしたって負担を応分にしていただかなければいけないということは自明だと私自身は思っています。

 ですから質問は、高齢者に今までの労苦に感謝するという情実と、実際はそうはいかないという現実についてのご見解をぜひお伺いしたいと。そして、また75歳以上の高齢者の医療負担をゼロにするということ、他自治体に事例があれば、そしてそれで事態が好転した例があればこれもお教えください。



◯委員(熊田ちづ子君)

 多分、少子高齢化社会を心配されていらっしゃるのだろうと思います。確かに2025年度には団塊の世代が全員75歳以上になって医療や介護の費用が増えると言われています。当然、対象人口が増えていけば、費用はかさんでいきます。ですから、今、社会全体が高齢化に向けて介護予防に力を入れて、介護の重度化を防ぐ施策だとか、病気の早期発見のための健康診断の充実、インフルエンザ、肺炎球菌の予防接種など、そういった施策が進んでいるのだと思います。

 医療や予防制度が向上していけば、費用の削減にもつながっていきます。それを証明しているのが、日の出町が行っている75歳以上の医療費の無料化だと思います。日の出町は2009年に75歳以上の医療費の無料化を実施して以来、後期高齢者の1人あたりの医療費が低下傾向にあるという数字が出されています。75歳以上の1人あたりの医療費、2010年度72万9,275円だったものが、2012年度69万1,873円と、この2年間で約3万7,000円下がっています。同時期の東京都全体の75歳以上の1人あたりの医療費で見ますと、2010年度が88万5,085円です。2012年度は90万8,052円と、この2年間で東京都全体の高齢者の1人あたりの医療費というのは2万3,000円増えています。ですから、日の出町のように医療費無料にすると、自治体の医療費の負担というのが減っていくということになると思います。

 かつては高齢者の医療費は無料でした。本来なら国がやるべき仕事だと私たちも思っています。持続可能な制度という理由で、今、医療も介護も年金も税金も、本当に国民に負担を押しつけることが続いています。これはお金の使い方というか、逆立ちしたやり方だと私たちは思っています。お金の使い方を変えて、誰もが世代の違いを超えて、安心して医療が受けられるような社会になればいいなと思っています。

 75歳以上の医療費ですが、この代表は日の出町です。先ほど紹介したとおり、日の出町は75歳以上の医療費無料化で医療費の削減を行っていて、さらに70歳から74歳の方たちも、自己負担2,000円を超えると、それも助成するということにされましたので、日の出町ではさらに医療費削減につながっていくのではないかと思っています。