平成29年予算委員会
総総括質問
1 日本を溶解せしめる国際化について
国際化への奔流に翻弄される日本の伝統への認識を伺う
全文
◯委員(赤坂大輔君)
日本を溶解せしめる国際化について、私自身、安易な国際化には反対なので、この質問をあえて取り上げさせていただきました。多くの伝統が社会の変化に合わせることで死にました。今回の質疑の中でも、委員も、行政側からの返答にも、伝統文化を大事にするという言葉がよく出てくるんですね。では、伝統って何なのかと言ったとき、伝統は長ければ長いほどとうといというのは、なぜかと言うと、多くの方の英知が、先人たちの英知が詰まっているからこそ、長く続いたのだろうという理解のもとで、伝統は長ければ長いほどすばらしいという理解なのだろうと思います。世界最長の伝統というのは皇統です。万世一系、父方だけで継承してきて、125代、2676年続いてきたというのが、国家の公式見解です。2676年かどうかというのは、これも後で検証すればいいことであるかもしれませんが、少なくとも1500年は続いていると。125代目が父方だけで継承していると、がゆえに、苗字も姓もないということです。これを国連勧告で差別だということが、一昨日、国連女子差別撤廃委員会から指摘されそうになったけれども、日本側の抗議で撤回されたと。本当に空恐ろしい気がいたします。
比叡山延暦寺には不滅の法灯という、伝教大師最澄が1227年前につけた炎がいまだについています。毎日なたね油を付け加えて、1度も消えたことがない。これを危ないからランプにしましょう、電気にしましょうとなっては、不滅の法灯ではなく、電気初日になるわけです、翌日から。世界最古の木造建築物の法隆寺、これが地震があるから鉄筋にしましょうって、世界最古の木造建築物の価値がなくなるわけです。このようなことで、一瞬にして崩れてしまうんだという恐ろしさを常に感じていなければいけないと思うのです。一般社会の法律やルールや風潮や流行と、文化、伝統、儀礼、祭事は一致させることはないと私は考えているわけです。
例えば、大相撲、黒と白と青と赤の4つの房があります、あれは結界なんです。もともと柱があったんですけれども、テレビ中継にあわせて結界にした。ああいう簡易な、物理的には本当に無防備な結界というものを日本人は守る知性と品性があった。前々理事長の武蔵川親方、元横綱三重ノ海が言っていたということが、内館牧子さんの著書でありましたが、某女性議員が、「今、誰も見てないから、理事長、乗っていいかしら」と言ったらしいですね。そのとき武蔵川親方は「この女に塩ぶっかけろ」と言って一喝して、その方は逃げていったということがあります。その後、武蔵川親方は、もし本当にその女性が土俵に上ったとしたら、自決する覚悟でしたということを言っていました、それぐらいの思いを持って、当事者たちはやっているということです。
そして、この国際化で港区が窓口だということをよくおっしゃっていますが、例えば、この訪日外国人が今一番訪れる場所は、2位が広島原爆ドームで、1位が伏見稲荷大社だということです。伏見稲荷大社って今どうなっているかと言うと、手水舎、要するに清めるところですが、あそこで外国人がうがいをする、顔を洗う、子どもを水着にして泳がせる、鳥居を鉄棒に見立てて雲梯をして競う、フェイスブックに載せる、爆買いしたお守りをコンビニの袋にねじ込んで、参道に座ってコンビニ弁当を食して、狛犬にまたがって写真撮影をしている。これを日本人が注意できないという異常な光景になっているということです。
これはなぜなんだろうと。私たちが海外旅行へ行ったとき、私別にクリスチャンではないですけれども、教会に行ったときは、それなりの静謐とそれなりの服装をして行きますよ。日本にモスクとか建造物ありますけど、そこに行ったとき、私別にムスリムではないですけど、女房と行きましたけど、男女別に離されまして、入るところは違いまして、女房はベールをかぶせられていました。差別だとも思わないし、それはそのようなものだという、私は心の則を持って接する。
外国人がなぜそうなのかというのは、日本人のそういう神秘みたいなものがわからない、情緒の欠けている部分ばかりではなくて、日本人自身が説明できないというのが決定的なのだろうと。そもそも日本人自体がわかっていない。神社の話ばかりになっていますけれども、一番身近でわかりやすいと思いますけれども、祭事を神事だと思っていない、フェスティバルだと思っている。赤の汚れ、黒の汚れ、白の汚れも何もわかっていないで毎日参拝する人もいる。その部分を、日本人自体が教えていかなければいけないと。
今、英語教育の話もいろいろ出ていましたけれども、この内容を伝えるためには通訳が要ります。だから、英語をしゃべれる人は必要です。ただ、通訳する人ばかりを養成するのではなくて、内容を話せる人を教育するのが教育だと私は思っているのです。この間、スーモという雑誌で、23区の英語教育の時間が載っていましたけれど、港区が四百十数時間、2位が世田谷かどこかで200時間だったかな、突出して多い、本当にもったいないと思います。一番は母国語を伸長させなければいけない、母国語のボキャブラリー以上の思考は人間はできませんからね。そのときに本当に英語を四百数時間詰め込まれているというこの残念さ。私は体育が好きだったので体育をやってほしいし、国語・算数・理科・社会ですよ。不易流行という言葉がありますが、国語・算数・理科・社会というは100年後も教えているはずです。だけれども、英語というのは恐らくここに端末でもつけて、しゃべった瞬間に英語に変換できるという端末が発達すれば、その時点で、義務教育の科目から外れるはずです。このようなものが義務教育の資格を有しているかということは本当に疑問に思います。元同僚の二島君なんて私の隣にいましたけど、「大ちゃん、おもしろい本あるよ」って見せてくれましたけど、その本の帯には「英語がしゃべれてもバカはバカ」ってありました。
日本の日本たらしめてきたものの伝統、一瞬にして崩れるデリケートなものなのだという思いを、日本人は常に思っていなければいけないと思います。伝統には伝統ならではのおきてがありまして、それは非合理的なものであるかもしれません。一般社会の法律やルール、風潮、流行と合わなくなることも多々ありますけれども、しかしながら、それを内包するのが成熟した国家なのだと私は信じてやみません。
質問ですが、区長はじめ、行政各機関が軽佻浮薄な国際化にくみしているわけでないことは重々承知しております。施策にも日本の伝統文化重視の思いが反映されていることにご評価申し上げますが、改めて日本を日本たらしめてきた伝統文化の精神を護持する思いについてお伺いしたいと思います。
◯区長(武井雅昭君)
ただいまの保守の会の赤坂大輔委員の総括質問にお答えいたします。
日本の伝統文化を守ることへの認識についてのお尋ねです。外国人に我が国の伝統文化の本当の価値を伝えるためには、私たち日本人が伝統文化を守り、深く理解する心を持つ必要があります。区はこれまでもこうした認識に立ち、伝統文化を守り伝えるため、日々活動している団体の育成や、区民がみずからも参加する機会の創出に取り組んでまいりました。さらに本年度は、区内で愛され続けてきた伝統の和菓子などの魅力を、外国人に伝える事業を開始し、来年度からは、この取り組みを、外国人に伝統芸能を紹介する事業として発展させ、展開をしてまいります。世界じゅうから港区を訪れる外国人に、日本の伝統文化の価値を正しく伝えることは、私たち日本人がみずからの歴史や伝統を自覚し、後世に伝えていく取り組みにもつながる意義深いものと考えております。よろしくご理解のほどお願いをいたします。
◯委員(赤坂大輔君)
よろしくお願いいたします。自国のことをわかってこその国際人で、それを理解していない日本人に興味を持つ外国人というのは、何らかのやましい気持ちがあって近づいてくるということでしょうね。日常、AKBとかアイドルの話しかできない人が英語をしゃべれた瞬間に、バッハやモーツアルトのことを語れるわけはないですよ、それ以上になることはないわけですよ。国際人になって何を語るのかと。語る内容がないのだったら、昔の日本人みたいに寡黙に微笑んでいたほうがよっぽど国益にかなうと思います。本当は教育費でやるべきだったのですが、時間も残っているけれども、いずれにしましても、日本を日本たらしめてきたものを守るということを、今後ともよろしくお願いして総括質問を終わります。ありがとうございました。
日本を溶解せしめる国際化について、私自身、安易な国際化には反対なので、この質問をあえて取り上げさせていただきました。多くの伝統が社会の変化に合わせることで死にました。今回の質疑の中でも、委員も、行政側からの返答にも、伝統文化を大事にするという言葉がよく出てくるんですね。では、伝統って何なのかと言ったとき、伝統は長ければ長いほどとうといというのは、なぜかと言うと、多くの方の英知が、先人たちの英知が詰まっているからこそ、長く続いたのだろうという理解のもとで、伝統は長ければ長いほどすばらしいという理解なのだろうと思います。世界最長の伝統というのは皇統です。万世一系、父方だけで継承してきて、125代、2676年続いてきたというのが、国家の公式見解です。2676年かどうかというのは、これも後で検証すればいいことであるかもしれませんが、少なくとも1500年は続いていると。125代目が父方だけで継承していると、がゆえに、苗字も姓もないということです。これを国連勧告で差別だということが、一昨日、国連女子差別撤廃委員会から指摘されそうになったけれども、日本側の抗議で撤回されたと。本当に空恐ろしい気がいたします。
比叡山延暦寺には不滅の法灯という、伝教大師最澄が1227年前につけた炎がいまだについています。毎日なたね油を付け加えて、1度も消えたことがない。これを危ないからランプにしましょう、電気にしましょうとなっては、不滅の法灯ではなく、電気初日になるわけです、翌日から。世界最古の木造建築物の法隆寺、これが地震があるから鉄筋にしましょうって、世界最古の木造建築物の価値がなくなるわけです。このようなことで、一瞬にして崩れてしまうんだという恐ろしさを常に感じていなければいけないと思うのです。一般社会の法律やルールや風潮や流行と、文化、伝統、儀礼、祭事は一致させることはないと私は考えているわけです。
例えば、大相撲、黒と白と青と赤の4つの房があります、あれは結界なんです。もともと柱があったんですけれども、テレビ中継にあわせて結界にした。ああいう簡易な、物理的には本当に無防備な結界というものを日本人は守る知性と品性があった。前々理事長の武蔵川親方、元横綱三重ノ海が言っていたということが、内館牧子さんの著書でありましたが、某女性議員が、「今、誰も見てないから、理事長、乗っていいかしら」と言ったらしいですね。そのとき武蔵川親方は「この女に塩ぶっかけろ」と言って一喝して、その方は逃げていったということがあります。その後、武蔵川親方は、もし本当にその女性が土俵に上ったとしたら、自決する覚悟でしたということを言っていました、それぐらいの思いを持って、当事者たちはやっているということです。
そして、この国際化で港区が窓口だということをよくおっしゃっていますが、例えば、この訪日外国人が今一番訪れる場所は、2位が広島原爆ドームで、1位が伏見稲荷大社だということです。伏見稲荷大社って今どうなっているかと言うと、手水舎、要するに清めるところですが、あそこで外国人がうがいをする、顔を洗う、子どもを水着にして泳がせる、鳥居を鉄棒に見立てて雲梯をして競う、フェイスブックに載せる、爆買いしたお守りをコンビニの袋にねじ込んで、参道に座ってコンビニ弁当を食して、狛犬にまたがって写真撮影をしている。これを日本人が注意できないという異常な光景になっているということです。
これはなぜなんだろうと。私たちが海外旅行へ行ったとき、私別にクリスチャンではないですけれども、教会に行ったときは、それなりの静謐とそれなりの服装をして行きますよ。日本にモスクとか建造物ありますけど、そこに行ったとき、私別にムスリムではないですけど、女房と行きましたけど、男女別に離されまして、入るところは違いまして、女房はベールをかぶせられていました。差別だとも思わないし、それはそのようなものだという、私は心の則を持って接する。
外国人がなぜそうなのかというのは、日本人のそういう神秘みたいなものがわからない、情緒の欠けている部分ばかりではなくて、日本人自身が説明できないというのが決定的なのだろうと。そもそも日本人自体がわかっていない。神社の話ばかりになっていますけれども、一番身近でわかりやすいと思いますけれども、祭事を神事だと思っていない、フェスティバルだと思っている。赤の汚れ、黒の汚れ、白の汚れも何もわかっていないで毎日参拝する人もいる。その部分を、日本人自体が教えていかなければいけないと。
今、英語教育の話もいろいろ出ていましたけれども、この内容を伝えるためには通訳が要ります。だから、英語をしゃべれる人は必要です。ただ、通訳する人ばかりを養成するのではなくて、内容を話せる人を教育するのが教育だと私は思っているのです。この間、スーモという雑誌で、23区の英語教育の時間が載っていましたけれど、港区が四百十数時間、2位が世田谷かどこかで200時間だったかな、突出して多い、本当にもったいないと思います。一番は母国語を伸長させなければいけない、母国語のボキャブラリー以上の思考は人間はできませんからね。そのときに本当に英語を四百数時間詰め込まれているというこの残念さ。私は体育が好きだったので体育をやってほしいし、国語・算数・理科・社会ですよ。不易流行という言葉がありますが、国語・算数・理科・社会というは100年後も教えているはずです。だけれども、英語というのは恐らくここに端末でもつけて、しゃべった瞬間に英語に変換できるという端末が発達すれば、その時点で、義務教育の科目から外れるはずです。このようなものが義務教育の資格を有しているかということは本当に疑問に思います。元同僚の二島君なんて私の隣にいましたけど、「大ちゃん、おもしろい本あるよ」って見せてくれましたけど、その本の帯には「英語がしゃべれてもバカはバカ」ってありました。
日本の日本たらしめてきたものの伝統、一瞬にして崩れるデリケートなものなのだという思いを、日本人は常に思っていなければいけないと思います。伝統には伝統ならではのおきてがありまして、それは非合理的なものであるかもしれません。一般社会の法律やルール、風潮、流行と合わなくなることも多々ありますけれども、しかしながら、それを内包するのが成熟した国家なのだと私は信じてやみません。
質問ですが、区長はじめ、行政各機関が軽佻浮薄な国際化にくみしているわけでないことは重々承知しております。施策にも日本の伝統文化重視の思いが反映されていることにご評価申し上げますが、改めて日本を日本たらしめてきた伝統文化の精神を護持する思いについてお伺いしたいと思います。
◯区長(武井雅昭君)
ただいまの保守の会の赤坂大輔委員の総括質問にお答えいたします。
日本の伝統文化を守ることへの認識についてのお尋ねです。外国人に我が国の伝統文化の本当の価値を伝えるためには、私たち日本人が伝統文化を守り、深く理解する心を持つ必要があります。区はこれまでもこうした認識に立ち、伝統文化を守り伝えるため、日々活動している団体の育成や、区民がみずからも参加する機会の創出に取り組んでまいりました。さらに本年度は、区内で愛され続けてきた伝統の和菓子などの魅力を、外国人に伝える事業を開始し、来年度からは、この取り組みを、外国人に伝統芸能を紹介する事業として発展させ、展開をしてまいります。世界じゅうから港区を訪れる外国人に、日本の伝統文化の価値を正しく伝えることは、私たち日本人がみずからの歴史や伝統を自覚し、後世に伝えていく取り組みにもつながる意義深いものと考えております。よろしくご理解のほどお願いをいたします。
◯委員(赤坂大輔君)
よろしくお願いいたします。自国のことをわかってこその国際人で、それを理解していない日本人に興味を持つ外国人というのは、何らかのやましい気持ちがあって近づいてくるということでしょうね。日常、AKBとかアイドルの話しかできない人が英語をしゃべれた瞬間に、バッハやモーツアルトのことを語れるわけはないですよ、それ以上になることはないわけですよ。国際人になって何を語るのかと。語る内容がないのだったら、昔の日本人みたいに寡黙に微笑んでいたほうがよっぽど国益にかなうと思います。本当は教育費でやるべきだったのですが、時間も残っているけれども、いずれにしましても、日本を日本たらしめてきたものを守るということを、今後ともよろしくお願いして総括質問を終わります。ありがとうございました。