平成22年第3回定例会 平成21年度決算特別委員会 【総務費】
要旨
1 平和展について
(1) 戦争にはまず相手国が存在する。戦争当事国には各々の大義がある。まるで日本が悪い事をしたから敗戦したかのような前提における論調展開はいい加減やめるべきだし、軍人は悪で、庶民は善と、あの時代の人間も考え方も丸ごと否定するような一様な歴史観は改めなければならない。(2) 生き残った平和の語り部よりも、まずは祖国に準じた特攻隊の遺書を読ませるのが主権国家としての通義ではないか。
(3) アメリカを賛美しているパネルが散見される。それはすなわち放火された後に、家を建ててもらい新築になったが為、放火犯に感謝しているような理解に苦しむ類のものだ。
(4) そもそも成典化憲法を有する国家の84%が侵略戦争放棄を規定しているにも拘らず何故に世界は平和にならないか。平和の定義とは。その考察が全く欠けている。
2 区内5か所において行われた空襲・原爆展について
(1) まずもって原爆、都市空襲が国際戦時法違反(非戦闘員を対象)の虐殺行為だという指摘が見られないのは何故か。(2) 過ちを犯した加害者がアメリカで、被害者が日本との認識記述が見受けられないのは何故か。
(3) 港区平和青年団事業の長崎派遣団写真で団員はピースサインばかりしている。サインの元々の意味(英仏戦争、英首相チャーチル談話など)を理解したうえで行っているのか。
(4) 無自覚な一部芸能人による浅薄極まりない平和メッセージについて
(5) 現在進行形どころか益々拡大しつつある世界的規模の核開発、事故、被害についての展示、例えばチベットにおける核被害の記述等が見当たらないのは不自然。
3 その他
全文
◯委員(赤坂だいすけ君)
課長いつもすみません。少し、きょうも質問させていただくことになりますけれども。 8月になりますと、平和展が日本全国津々浦々どこでもやるのですけれども、恐らく本心を吐露すれば、皆が皆違和感を覚えていると思うのですよね。よく平和と言うのですけれども、平和とことさらに言う根拠の前提には、平和はだめだという対論がなければ成り立たないですよね。恐らく、だれもが平和を望んでいる中において、無思考に平和と叫ぶ国民が、その無思考ぶりが災いして、あるときから戦争だと、全員そのようになるということは枚挙にいとまがありませんからから、歴史から。私は、真に平和を求めるために、現在のこの平和展というのは非常に違和感があるという立場から申し述べさせていただきます。 私の後援会に東条英利さんという方がいるのですよ、私の2つ上なのですけれども。名前から類推されると思うのですけれども、東条英機もと首相のひ孫なのですよね。ご自宅にお呼ばれして、本家に行かせてもらいまして、倉庫を見せていただきました。そうしたら、もう書類の山々、昔国民から来た手紙の山、腰抜け東条と、なぜ戦争しないのだという。そして、東条英利さんの祖母かな、「おじいちゃん、戦争しなかったら、おじいちゃん殺されちゃうよ」と何度も夕食のときに東条元首相にせがんだと。そして、私の知り合いの前川和彦さんという方が旧制中学にいたときに、来賓として東条英機が来まして、私の目が黒いうちは絶対に戦争させませんと断言していた。私も録音テープを聞かせていただきましたけれどもね。彼は戦争が決まった当日、陛下に申しわけが立たないといって滂沱涙していたと、これはもう事実であります。満州事変からの軍事行動に起因して、国連を脱退することを扇動したと思われている松岡洋右さんのひ孫さんとも話したけれども、松岡洋右も内田外相に物事というのは8分で十分なのだと。満州事変に反対していたわけですよ。要するに、結論から言うと、悪いのは、朝日新聞を初めとして戦争をあおりにあおったマスコミと、踊らされた国民なわけですよ。その国民が今さら、軍人は悪で、庶民は善という論理のすりかえをしていることが、私は我慢がならないということを言っているのです。 それで、この平和展は、8月7日から22日までやられていましたけれども、質問に戻りますけれどもね、戦争にはまず相手国が存在するわけです。戦争当事国にはおのおのの大義があるのです。しかしながら、日本が悪いことをしたから負けたかのような前提における論調展開がなされているとしか、私は思えない。軍人は悪で庶民が善という、あの時代の人間も考え方もすべて否定するかのような一様な歴史観は改めるべきだと、私は思うのですけれども。おおまかな質問ですけれども、いかがでしょうか。根底を貫いていると思うのですよ、その発想が。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
平和展は、平和都市宣言の理念に基づき、戦争の悲惨さ、核兵器の脅威、平和のとうとさを伝えております。来場者からのアンケート結果からも偏っているとは考えておりませんが、委員の意見も踏まえ、今後、より充実した内容とするよう検討してまいります。
◯委員(赤坂だいすけ君)
前向きなご答弁、ありがとうございます。 それで、少し質問通告内容とは前後するのですけれども、すみません課長、前後しますけれども、芸能人による平和メッセージというのが寄せられているのですよ。これは少し非常に区民を愚弄しているというか、ばかにしているのではないかという内容ばかりなのですよね。全部紹介してもらうと時間がかかるので、ベッキーとKABAちゃんのメッセージについて、少し教えてください。記憶が定かならば、その2人が腹立たしかった。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
タレントのベッキーのメッセージは、「幸せは笑顔目がけて飛んでくる」、振りつけ師KABA.ちゃんのメッセージは、「だれか教えて、平和がだめな理由。私は平和が好き」というものです。
◯委員(赤坂だいすけ君)
だれも平和がだめと言っていないのですよ。ですから、少しその辺はぜひKABAちゃんの事務所にでも港区区民からですね、区民からでなくていいですよ、赤坂だいすけ議員から違和感が表明されたとぜひ伝えていただきたいですね。芸能人をどのように選定したのか。アンパンマンの作者はとてもよかったですよ、アンパンマンの作者はですね。中には、いろいろ考えて書いている方もいますけれども、少しやはり芸能人は、今ではもう、昔は違うのですけれども、今では特権階級的になっていますから、子どもたちは見ますから、平和が嫌いと言っているから戦争が起こっているかのような悪いイメージを与えかねないので、適切な芸能人の選定と、あと、決まってもそういう子どもじみたものであったら却下するぐらいの姿勢を少し見せていただきたいと思っています。 それで、この平和展にも置かれていました、平和への願いを込めてというものを読ませていただいたのですけれども、何かもう、こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、もうみんな自分勝手だという感じですよ。戦争が起こらなかったらこうなっていたかもとか。では、亡くなった方はどうなのだという考察が何もないとしか言いようがないですよ。私が、戦争というのはやはりむごいなとか思うのは、やはり特攻隊の遺書を読んで、私やはりそう思いました。そして、今の、これからの日本を担っていかなければいけないのだという、身の引き締まる思いと、そういう思いを伝えるためには、このやはり祖国に殉じて亡くなっていった英霊たちの思いのようなものが何も反映されていないというのは、フェアではないと思うのですよ。 申しわけないのですけれども、なぜ生き残った方々の話しか載らないのですか。これは、生き残った人しか書けないですけれどもね。なぜ遺書も加味して書くぐらいの発想ができないのかを伺いたい。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
冊子についてということだけではなく、平和展全体についてお答えさせていただきますと、委員ご指摘のとおり、戦没者の方々をさまざまな形でご紹介し、追悼することは重要だと考えております。区はこれまでも平和展の一環のとして、8月15日に開催する区民参加の朗読会の中で、戦争で亡くなった方のお名前や残されたお手紙を読み上げて、祈りを捧げる献読を行い、戦没者を追悼しております。 語り部の皆さんのお話につきましては、戦争を知らない世代に平和のとうとさを伝える貴重なものだと考えております。 委員のご指摘を踏まえまして、今後ともより充実した平和展となるよう、語り部というか、生きて残った方とともに、戦没者の方もこともあわせて考える形で進めてまいりたいと考えております。
◯委員(赤坂だいすけ君)
有史以来、すなわち資料が残って以来、人類の歴史は6千年です。資料が残っているだけでもね。その間だけでも戦争というのはおよそ1万5,000回あった。先の大戦の後、この100年弱の間でも200以上の戦争・紛争が起こっている。人類が誕生以来、戦争がなかった日というのは3週間に満たないという記録もあります。戦争が異常で、平和が普通だという認識をやはり改めていただいて、平和というのは戦争と戦争の間という概念にすぎないのだということを鑑みるにつけ、戦争、平和と無自覚、無思考に言っている人たちのこの無責任さというのは理解しがたいのですけれども。 とにかく、この原爆展を拝見しましたけれども、どこにも日本が被害者でアメリカが加害者だという論調が見られないのですよね。後からこじつけた理屈でどう弁明しても、初めての原爆を正しいとしてしまえば、今後だれが使っても、悪いやつには使ってもいいという理由づけになるのですよ。 連合軍最高司令官のアイゼンハワーは、残念ながらもう日本には軍事的目的物はなくなったと言っても、軍事関係者が手を回して、トルーマンの許可のもと原爆を落とした。人類史上、とてもすばらしいことが起こった、家に帰ろうと言って、欣喜雀躍して喜んだトルーマン、真珠湾攻撃の報告を受けロブスターが引っかかったと言って飛び上がって狂喜したルーズベルト、この2人の両大統領の品性下劣さというのは筆舌に尽くしがたいものがあるのですけれども。日本として、核を落とされた当事国として、アメリカに対して、どの平和運動も反核運動もそうですよ、唯一の1点だけがタブー視されている。アメリカに謝罪を求めるということを言わないのです。その姿勢だけは、私は絶対に抜かしてはいけないと思うのですよ。原爆も、東京大空襲も、非戦闘員を対象とした、国際戦時法違反の虐殺行為ですからね。1回、表参道の方で碑文をつくったとき、私はタウンミーティングでいましたけれども、あれを主導した鬼畜ルメイの記述も入れるべきだと言ったのですけれども、反対派によって消されてしまいましたけれども、それについてはここでは問いません。 いずれにしても、安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませんと碑文が広島にありますが、殺された犠牲者が過ちを犯したから原爆を落とされたわけではないのですよ。そんなことを言っている限り、犠牲者たちは断じて安らかになど眠れないです、そんなことは。 ですから、やはり原爆展においては、これは戦争行為ではないのだという。戦争というのは、やはり宣戦布告を経て行われるものであって、ルールがあるのですよ。日本の高校生に聞いたら、統計では82%が戦争にルールはないと認識しているみたいですけれども。戦争において、犠牲者になるのは9割が民間人なのですけれども、それを防ぐ最低限のルールというものをやはり全世界の人たちが認識していくということが必要だということを国連でも言っていますけれども。これは違反の行為なのですと。原爆と東京大空襲は違反なのですという論調がなぜパネル展でなされないのですかね。しかも、アメリカが復興に寄与したみたいなことで賛美しているパネルも散見されたのですけれども。少しそれについて。なぜそのパネルで、そういう意見も出せないか。要するに復興をしてくれたというアメリカに対する親米的なパネルがあってもいいよ、私は悪いと思うけれども。だけれども、アメリカが悪いのだということがなぜ出てこないのか教えてください。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
委員がご指摘のパネルにつきましては、恐らく、アメリカ軍の看護や医療などをしているところをパネル化したものだと推察されますが、それは、アメリカを賛美するパネルというようには全く考えてございません。 広島市、長崎市は原子爆弾の投下により、一瞬にして廃墟と化し、数多くのとうとい命が奪われました。唯一の被爆国の自治体として、核兵器の非人道性を強く訴えていくべきだと考えております。その姿勢に変わりはございません。
◯委員(赤坂だいすけ君)
私も核問題と言って大きな話になってしまっていますけれども、核問題において、よく核兵器の悲惨さとか、核兵器の非人道性から「核兵器自体」を憎むという論拠に出会う事がありますけれども、これは外国の憲法学者に聞いたらフェティシズム以外の何ものでもないですよ。ものというのは、使う人間によって善にもなり、悪にもなるということを、科学の進歩によって、皆さんわかっているはずなのですよね。それを、核兵器自体を憎むとか、これはセンチメンタリティと言うか、感傷的なフェティシズム以外の何者でもないですよ、使った人間が悪いのです、これは。 それで、質問の3つ目が終わりますけれども、私が聞いた80代の原爆投下直後に広島入りしたもと兵士のおじいさんが言っていたのは、地獄絵図のさなか、道にうずくまった人々はのたうち回りながらその兵隊に言ったそうですよ、みんな異口同音に言った。「兵隊さんあだをうってください」と、みんな言っていたと。それは、そうなのだろうなと私は思うのですけれどもね。過ちは繰り返しません、これは外国に言ったら、二度と負けませんという意味にしかとられないですけれどもね。それは広島のことですけれども。 次に行きます。 この平和青年団の派遣、長崎派遣団員について、伺いますけれども、25枚の写真が展示されているのですけれども、団員がピースサインしているのですよね。ピースサインは、皆さんご存じだと思うのですけれども、イギリスとフランスが百年戦争をしていたときに、弓を引けなくさせるために、捕虜の中指と人差し指を切るのですよね。お前切るぞ、まだあるぞと、挑発の行為が今の2本指を立てるサインだったと。それがそのうちチャーチルが、ビクトリーのVサインをやったわけですよ。それは何ですかと、記者会見で問われたら、世界はこれによって平和がもたらされた、広島、長崎だピースと。そういう由来があるピースサインをなぜこの長崎の地でやらなければいけないのか。日本ではピースサインというのは、これは井上順がコニカのCMで昭和47年、46年ですか、にやって広まったと。そういう意味とは断絶しているのだという解釈のもとでやっているのか。恐らく、チャーチルの独白録でも読めば、その項目が出てきますしね。それは、高校生ならいい、これは中学生ですか、行くのは。15歳から、高校生ですね。高校生はいいのですけれども、この平和大使という40代、50代の男性だと思うのですけれども、この2人のうち1人もピースしているのですけれども、残りの人はハートマークしているのですよね。これ、50代にもなってそのことを知らないで長崎でピースをしているのは信じられないのですけれども。そういう教育はされているのですか。せめて長崎ではやめようよという教育はやっているのでしょうかね。恥ずかしいですよ。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
団員は高校生でございます。まず、長崎で交流した他自治体の高校生などもピースサインをしておりました。小・中学生を初め高校生、大学生、社会人に至っても多くの人が記念撮影の際にピースサインをするのはよく見られることで、これはテレビCM等の影響が大きいと考えられます。 今後、予定しております、事後の研修などの際に、団員にピースサインの本来の意味を伝えてまいります。
◯委員(赤坂だいすけ君)
今せせら笑っている議員が多少おりますが、知らなくてせせら笑っていてもしようがないですよ。安全な外野でせせら笑いですか。私と面と向かってせせら笑えるのか。ほら、せせら笑いは消えた。知らないんだったら黙って聞いてて下さい。 私も、いろいろなところでピースサインのことも言いますけれども、女子高生も一様にピースではなくて、いろいろなポーズをやり始めますよ、教育は必要だと思いますよ。 最後になりましたけれども、核開発、事故というのはますます広がっている中において、確かに原爆の被害をパネルとして展開していくことも必要なのかもしれません、高熱でこんなに溶けてしまいましたなどあるのですけれども。やはり世界的規模で核兵器はもう二度のアメリカの過ちにもかかわらず広まっていかざるを得ない状況になってしまい、どこの国が持っているのか、こんな国まで持っているのということもあるでしょうし。そういう展示もやはり必要だと思うのです。そして、世界一の、最近知られるようになりましたけれども、新疆ウイグル自治区での核被害、これは46回、ここ40年ありまして、およそ20万人以上の方が死亡、100数十万人が被害を受けているという、シルクロード遺跡の近くで、もう常にウイグル自治区の方々に知らせることなく行っているのですよ。避難の措置もとらずにね。そういう被害の、世界での現在のやはり被害など、そちらをやはりパネルの後半、順路の後半にはちりばめるとか。やはりそういうものが見当たらない。要するに、中国が核を持っているということが何もにおわないのですよ。一番の今の脅威というのは、日本の身の回りの北朝鮮や中国が核ミサイルをこちらに向けているということなのですよね。その辺の記述が見当たらないのがやはり不自然でありますし、真の平和を願って展示などを行っていれば、現在の軍事状況と政治状況とその対策にやはり触れるべきですから、この真の平和や戦争の愚かさを感じさせる展示にしてほしいと思っているのです。このシルクロード、桜蘭遺跡のところ。あそこは実験中、日本の観光客27万人行っているのですよね。今も実験続いているのですけれども、この前一緒にいた女性もシルクロード行ってきたわなど言って、桜蘭遺跡と言ってましたけれども、知っていたら行かなかったかもしれないですからね。だから、その辺の今に至るそういう観点が抜けているのは不自然だと思うのですけれどもいかがですかね。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
委員ご指摘のとおり、現在の軍事状況ですとか、平和状況、被害の状況について、お伝えすることは大変重要だと考えております。港区としても、平和市長会議に加盟したりなど、そういうことも世界の状況を踏まえてということでありますので、例えば、オバマ大統領によるプラハ演説、そしてそれ以降の核軍縮に向けました新たな潮流、具体的に言いますと5月のNPT運用検討会議で最終文書が合意されたことですとか、7月末にアメリカの水爆実験によって日本のマグロ漁船第5福竜丸が被爆したことで知られるマーシャル諸島ビキニ環礁が核実験の威力を伝える文化遺産として世界遺産へ登録が決まったことですとか、そうした大きな世界の流れが区民の皆さんにわかるような展示といったようなものも工夫してまいりたいと考えております。
◯委員(赤坂だいすけ君)
より充実した平和展になるよう、もう本当に自治体、どこに行っても同じような感じの平和展なのですけれども、そのオバマ大統領がノーベル平和賞をもらったなど言いますけれども、あれを選考したのはノルウェーですよね。核を解体するときの事業を大規模に手がけているところですよ。そういうやはり裏面もあるわけで、手放しで称賛していいものでもない。やはりより深い考察と、そしてその深い考察をわかりやすくする充実した平和展を展開していただきたいと要望しまして、質問を終わります。
課長いつもすみません。少し、きょうも質問させていただくことになりますけれども。 8月になりますと、平和展が日本全国津々浦々どこでもやるのですけれども、恐らく本心を吐露すれば、皆が皆違和感を覚えていると思うのですよね。よく平和と言うのですけれども、平和とことさらに言う根拠の前提には、平和はだめだという対論がなければ成り立たないですよね。恐らく、だれもが平和を望んでいる中において、無思考に平和と叫ぶ国民が、その無思考ぶりが災いして、あるときから戦争だと、全員そのようになるということは枚挙にいとまがありませんからから、歴史から。私は、真に平和を求めるために、現在のこの平和展というのは非常に違和感があるという立場から申し述べさせていただきます。 私の後援会に東条英利さんという方がいるのですよ、私の2つ上なのですけれども。名前から類推されると思うのですけれども、東条英機もと首相のひ孫なのですよね。ご自宅にお呼ばれして、本家に行かせてもらいまして、倉庫を見せていただきました。そうしたら、もう書類の山々、昔国民から来た手紙の山、腰抜け東条と、なぜ戦争しないのだという。そして、東条英利さんの祖母かな、「おじいちゃん、戦争しなかったら、おじいちゃん殺されちゃうよ」と何度も夕食のときに東条元首相にせがんだと。そして、私の知り合いの前川和彦さんという方が旧制中学にいたときに、来賓として東条英機が来まして、私の目が黒いうちは絶対に戦争させませんと断言していた。私も録音テープを聞かせていただきましたけれどもね。彼は戦争が決まった当日、陛下に申しわけが立たないといって滂沱涙していたと、これはもう事実であります。満州事変からの軍事行動に起因して、国連を脱退することを扇動したと思われている松岡洋右さんのひ孫さんとも話したけれども、松岡洋右も内田外相に物事というのは8分で十分なのだと。満州事変に反対していたわけですよ。要するに、結論から言うと、悪いのは、朝日新聞を初めとして戦争をあおりにあおったマスコミと、踊らされた国民なわけですよ。その国民が今さら、軍人は悪で、庶民は善という論理のすりかえをしていることが、私は我慢がならないということを言っているのです。 それで、この平和展は、8月7日から22日までやられていましたけれども、質問に戻りますけれどもね、戦争にはまず相手国が存在するわけです。戦争当事国にはおのおのの大義があるのです。しかしながら、日本が悪いことをしたから負けたかのような前提における論調展開がなされているとしか、私は思えない。軍人は悪で庶民が善という、あの時代の人間も考え方もすべて否定するかのような一様な歴史観は改めるべきだと、私は思うのですけれども。おおまかな質問ですけれども、いかがでしょうか。根底を貫いていると思うのですよ、その発想が。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
平和展は、平和都市宣言の理念に基づき、戦争の悲惨さ、核兵器の脅威、平和のとうとさを伝えております。来場者からのアンケート結果からも偏っているとは考えておりませんが、委員の意見も踏まえ、今後、より充実した内容とするよう検討してまいります。
◯委員(赤坂だいすけ君)
前向きなご答弁、ありがとうございます。 それで、少し質問通告内容とは前後するのですけれども、すみません課長、前後しますけれども、芸能人による平和メッセージというのが寄せられているのですよ。これは少し非常に区民を愚弄しているというか、ばかにしているのではないかという内容ばかりなのですよね。全部紹介してもらうと時間がかかるので、ベッキーとKABAちゃんのメッセージについて、少し教えてください。記憶が定かならば、その2人が腹立たしかった。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
タレントのベッキーのメッセージは、「幸せは笑顔目がけて飛んでくる」、振りつけ師KABA.ちゃんのメッセージは、「だれか教えて、平和がだめな理由。私は平和が好き」というものです。
◯委員(赤坂だいすけ君)
だれも平和がだめと言っていないのですよ。ですから、少しその辺はぜひKABAちゃんの事務所にでも港区区民からですね、区民からでなくていいですよ、赤坂だいすけ議員から違和感が表明されたとぜひ伝えていただきたいですね。芸能人をどのように選定したのか。アンパンマンの作者はとてもよかったですよ、アンパンマンの作者はですね。中には、いろいろ考えて書いている方もいますけれども、少しやはり芸能人は、今ではもう、昔は違うのですけれども、今では特権階級的になっていますから、子どもたちは見ますから、平和が嫌いと言っているから戦争が起こっているかのような悪いイメージを与えかねないので、適切な芸能人の選定と、あと、決まってもそういう子どもじみたものであったら却下するぐらいの姿勢を少し見せていただきたいと思っています。 それで、この平和展にも置かれていました、平和への願いを込めてというものを読ませていただいたのですけれども、何かもう、こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、もうみんな自分勝手だという感じですよ。戦争が起こらなかったらこうなっていたかもとか。では、亡くなった方はどうなのだという考察が何もないとしか言いようがないですよ。私が、戦争というのはやはりむごいなとか思うのは、やはり特攻隊の遺書を読んで、私やはりそう思いました。そして、今の、これからの日本を担っていかなければいけないのだという、身の引き締まる思いと、そういう思いを伝えるためには、このやはり祖国に殉じて亡くなっていった英霊たちの思いのようなものが何も反映されていないというのは、フェアではないと思うのですよ。 申しわけないのですけれども、なぜ生き残った方々の話しか載らないのですか。これは、生き残った人しか書けないですけれどもね。なぜ遺書も加味して書くぐらいの発想ができないのかを伺いたい。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
冊子についてということだけではなく、平和展全体についてお答えさせていただきますと、委員ご指摘のとおり、戦没者の方々をさまざまな形でご紹介し、追悼することは重要だと考えております。区はこれまでも平和展の一環のとして、8月15日に開催する区民参加の朗読会の中で、戦争で亡くなった方のお名前や残されたお手紙を読み上げて、祈りを捧げる献読を行い、戦没者を追悼しております。 語り部の皆さんのお話につきましては、戦争を知らない世代に平和のとうとさを伝える貴重なものだと考えております。 委員のご指摘を踏まえまして、今後ともより充実した平和展となるよう、語り部というか、生きて残った方とともに、戦没者の方もこともあわせて考える形で進めてまいりたいと考えております。
◯委員(赤坂だいすけ君)
有史以来、すなわち資料が残って以来、人類の歴史は6千年です。資料が残っているだけでもね。その間だけでも戦争というのはおよそ1万5,000回あった。先の大戦の後、この100年弱の間でも200以上の戦争・紛争が起こっている。人類が誕生以来、戦争がなかった日というのは3週間に満たないという記録もあります。戦争が異常で、平和が普通だという認識をやはり改めていただいて、平和というのは戦争と戦争の間という概念にすぎないのだということを鑑みるにつけ、戦争、平和と無自覚、無思考に言っている人たちのこの無責任さというのは理解しがたいのですけれども。 とにかく、この原爆展を拝見しましたけれども、どこにも日本が被害者でアメリカが加害者だという論調が見られないのですよね。後からこじつけた理屈でどう弁明しても、初めての原爆を正しいとしてしまえば、今後だれが使っても、悪いやつには使ってもいいという理由づけになるのですよ。 連合軍最高司令官のアイゼンハワーは、残念ながらもう日本には軍事的目的物はなくなったと言っても、軍事関係者が手を回して、トルーマンの許可のもと原爆を落とした。人類史上、とてもすばらしいことが起こった、家に帰ろうと言って、欣喜雀躍して喜んだトルーマン、真珠湾攻撃の報告を受けロブスターが引っかかったと言って飛び上がって狂喜したルーズベルト、この2人の両大統領の品性下劣さというのは筆舌に尽くしがたいものがあるのですけれども。日本として、核を落とされた当事国として、アメリカに対して、どの平和運動も反核運動もそうですよ、唯一の1点だけがタブー視されている。アメリカに謝罪を求めるということを言わないのです。その姿勢だけは、私は絶対に抜かしてはいけないと思うのですよ。原爆も、東京大空襲も、非戦闘員を対象とした、国際戦時法違反の虐殺行為ですからね。1回、表参道の方で碑文をつくったとき、私はタウンミーティングでいましたけれども、あれを主導した鬼畜ルメイの記述も入れるべきだと言ったのですけれども、反対派によって消されてしまいましたけれども、それについてはここでは問いません。 いずれにしても、安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませんと碑文が広島にありますが、殺された犠牲者が過ちを犯したから原爆を落とされたわけではないのですよ。そんなことを言っている限り、犠牲者たちは断じて安らかになど眠れないです、そんなことは。 ですから、やはり原爆展においては、これは戦争行為ではないのだという。戦争というのは、やはり宣戦布告を経て行われるものであって、ルールがあるのですよ。日本の高校生に聞いたら、統計では82%が戦争にルールはないと認識しているみたいですけれども。戦争において、犠牲者になるのは9割が民間人なのですけれども、それを防ぐ最低限のルールというものをやはり全世界の人たちが認識していくということが必要だということを国連でも言っていますけれども。これは違反の行為なのですと。原爆と東京大空襲は違反なのですという論調がなぜパネル展でなされないのですかね。しかも、アメリカが復興に寄与したみたいなことで賛美しているパネルも散見されたのですけれども。少しそれについて。なぜそのパネルで、そういう意見も出せないか。要するに復興をしてくれたというアメリカに対する親米的なパネルがあってもいいよ、私は悪いと思うけれども。だけれども、アメリカが悪いのだということがなぜ出てこないのか教えてください。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
委員がご指摘のパネルにつきましては、恐らく、アメリカ軍の看護や医療などをしているところをパネル化したものだと推察されますが、それは、アメリカを賛美するパネルというようには全く考えてございません。 広島市、長崎市は原子爆弾の投下により、一瞬にして廃墟と化し、数多くのとうとい命が奪われました。唯一の被爆国の自治体として、核兵器の非人道性を強く訴えていくべきだと考えております。その姿勢に変わりはございません。
◯委員(赤坂だいすけ君)
私も核問題と言って大きな話になってしまっていますけれども、核問題において、よく核兵器の悲惨さとか、核兵器の非人道性から「核兵器自体」を憎むという論拠に出会う事がありますけれども、これは外国の憲法学者に聞いたらフェティシズム以外の何ものでもないですよ。ものというのは、使う人間によって善にもなり、悪にもなるということを、科学の進歩によって、皆さんわかっているはずなのですよね。それを、核兵器自体を憎むとか、これはセンチメンタリティと言うか、感傷的なフェティシズム以外の何者でもないですよ、使った人間が悪いのです、これは。 それで、質問の3つ目が終わりますけれども、私が聞いた80代の原爆投下直後に広島入りしたもと兵士のおじいさんが言っていたのは、地獄絵図のさなか、道にうずくまった人々はのたうち回りながらその兵隊に言ったそうですよ、みんな異口同音に言った。「兵隊さんあだをうってください」と、みんな言っていたと。それは、そうなのだろうなと私は思うのですけれどもね。過ちは繰り返しません、これは外国に言ったら、二度と負けませんという意味にしかとられないですけれどもね。それは広島のことですけれども。 次に行きます。 この平和青年団の派遣、長崎派遣団員について、伺いますけれども、25枚の写真が展示されているのですけれども、団員がピースサインしているのですよね。ピースサインは、皆さんご存じだと思うのですけれども、イギリスとフランスが百年戦争をしていたときに、弓を引けなくさせるために、捕虜の中指と人差し指を切るのですよね。お前切るぞ、まだあるぞと、挑発の行為が今の2本指を立てるサインだったと。それがそのうちチャーチルが、ビクトリーのVサインをやったわけですよ。それは何ですかと、記者会見で問われたら、世界はこれによって平和がもたらされた、広島、長崎だピースと。そういう由来があるピースサインをなぜこの長崎の地でやらなければいけないのか。日本ではピースサインというのは、これは井上順がコニカのCMで昭和47年、46年ですか、にやって広まったと。そういう意味とは断絶しているのだという解釈のもとでやっているのか。恐らく、チャーチルの独白録でも読めば、その項目が出てきますしね。それは、高校生ならいい、これは中学生ですか、行くのは。15歳から、高校生ですね。高校生はいいのですけれども、この平和大使という40代、50代の男性だと思うのですけれども、この2人のうち1人もピースしているのですけれども、残りの人はハートマークしているのですよね。これ、50代にもなってそのことを知らないで長崎でピースをしているのは信じられないのですけれども。そういう教育はされているのですか。せめて長崎ではやめようよという教育はやっているのでしょうかね。恥ずかしいですよ。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
団員は高校生でございます。まず、長崎で交流した他自治体の高校生などもピースサインをしておりました。小・中学生を初め高校生、大学生、社会人に至っても多くの人が記念撮影の際にピースサインをするのはよく見られることで、これはテレビCM等の影響が大きいと考えられます。 今後、予定しております、事後の研修などの際に、団員にピースサインの本来の意味を伝えてまいります。
◯委員(赤坂だいすけ君)
今せせら笑っている議員が多少おりますが、知らなくてせせら笑っていてもしようがないですよ。安全な外野でせせら笑いですか。私と面と向かってせせら笑えるのか。ほら、せせら笑いは消えた。知らないんだったら黙って聞いてて下さい。 私も、いろいろなところでピースサインのことも言いますけれども、女子高生も一様にピースではなくて、いろいろなポーズをやり始めますよ、教育は必要だと思いますよ。 最後になりましたけれども、核開発、事故というのはますます広がっている中において、確かに原爆の被害をパネルとして展開していくことも必要なのかもしれません、高熱でこんなに溶けてしまいましたなどあるのですけれども。やはり世界的規模で核兵器はもう二度のアメリカの過ちにもかかわらず広まっていかざるを得ない状況になってしまい、どこの国が持っているのか、こんな国まで持っているのということもあるでしょうし。そういう展示もやはり必要だと思うのです。そして、世界一の、最近知られるようになりましたけれども、新疆ウイグル自治区での核被害、これは46回、ここ40年ありまして、およそ20万人以上の方が死亡、100数十万人が被害を受けているという、シルクロード遺跡の近くで、もう常にウイグル自治区の方々に知らせることなく行っているのですよ。避難の措置もとらずにね。そういう被害の、世界での現在のやはり被害など、そちらをやはりパネルの後半、順路の後半にはちりばめるとか。やはりそういうものが見当たらない。要するに、中国が核を持っているということが何もにおわないのですよ。一番の今の脅威というのは、日本の身の回りの北朝鮮や中国が核ミサイルをこちらに向けているということなのですよね。その辺の記述が見当たらないのがやはり不自然でありますし、真の平和を願って展示などを行っていれば、現在の軍事状況と政治状況とその対策にやはり触れるべきですから、この真の平和や戦争の愚かさを感じさせる展示にしてほしいと思っているのです。このシルクロード、桜蘭遺跡のところ。あそこは実験中、日本の観光客27万人行っているのですよね。今も実験続いているのですけれども、この前一緒にいた女性もシルクロード行ってきたわなど言って、桜蘭遺跡と言ってましたけれども、知っていたら行かなかったかもしれないですからね。だから、その辺の今に至るそういう観点が抜けているのは不自然だと思うのですけれどもいかがですかね。
◯人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君)
委員ご指摘のとおり、現在の軍事状況ですとか、平和状況、被害の状況について、お伝えすることは大変重要だと考えております。港区としても、平和市長会議に加盟したりなど、そういうことも世界の状況を踏まえてということでありますので、例えば、オバマ大統領によるプラハ演説、そしてそれ以降の核軍縮に向けました新たな潮流、具体的に言いますと5月のNPT運用検討会議で最終文書が合意されたことですとか、7月末にアメリカの水爆実験によって日本のマグロ漁船第5福竜丸が被爆したことで知られるマーシャル諸島ビキニ環礁が核実験の威力を伝える文化遺産として世界遺産へ登録が決まったことですとか、そうした大きな世界の流れが区民の皆さんにわかるような展示といったようなものも工夫してまいりたいと考えております。
◯委員(赤坂だいすけ君)
より充実した平和展になるよう、もう本当に自治体、どこに行っても同じような感じの平和展なのですけれども、そのオバマ大統領がノーベル平和賞をもらったなど言いますけれども、あれを選考したのはノルウェーですよね。核を解体するときの事業を大規模に手がけているところですよ。そういうやはり裏面もあるわけで、手放しで称賛していいものでもない。やはりより深い考察と、そしてその深い考察をわかりやすくする充実した平和展を展開していただきたいと要望しまして、質問を終わります。