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議会活動

平成22年第4回定例会 代表質問

要旨

1 港区内に大使館がある国への見舞金、義援金について
(1) 見舞金、義援金について
港区内に大使館がある国に、日本の主権を脅かす国が数多くあるが、見舞金、義援金授与の選定について改めて区長並びに議長の見解を伺う。
2 主権について
(1) 地域主権なる用語について
主権とは国家のみに存する、分割不可能な至高の概念である。誤った用法が目立つ中、区長の見解を伺う。
3 日本の伝統文化教育について
(1) 伝統について
日本の素晴らしい伝統の教育をもっと子どもたちへ。教育長の見解を伺う。
(2) 教育の実践について
新学習指導要領のもとでどのような教育が行われるのか。
4 町会について
(1) 町会加入促進について
ア 事業所などの伸びぬ町会加入率。区長の見解を伺う。
イ 加入促進に向けた取り組みについて
ウ 事業所も多いため加入率が最も伸び悩む赤坂・青山地区における取り組みについて
5 公園について
(1) 子どもの視点からの公園整備について
区長の見解を伺う。
(2) プレーパークについて
現在の取り組み状況と今後の見通しについて
6 電線類の地中化の促進について
(1) 今後の取り組みについて
7 体感治安向上への取り組みについて
(1) 今後の活動計画について
麻布地区に次いで実施された赤坂地区における今後の取り組みについて
(2) 拡大の予定について
麻布、赤坂に続く区内各地区への拡大予定について
8 地球温暖化対策について
(1) 温室効果ガス削減への取り組みについて
業務部門の排出抑制に向け、区の対策を伺う。
(2) みなとモデル二酸化炭素固定認証制度について
制度構築の進捗状況について
9 高齢者福祉について
(1) 在宅介護への支援について
今後さらに重要になるとみられる在宅介護者への支援について
(2) 介護予防について
その展開について
10 新郷土資料館について
(1) 整備について
進捗状況について
11 育児休暇について
(1) 首長の育児休暇取得について
論争を呼んでいるが区長の見解を伺う。
12 その他

全文

平成22年度第4回定例会に当たり、自民党議員団を代表しまして区長並びに教育長に質問させて頂きます。冒頭一言申し述べます。 40年前のまさに今日、11月25日、午後12時15分、作家である三島由紀夫氏は市ヶ谷の自衛隊駐屯地において割腹自殺を遂げました。 現在、様々な立場に立たれながら縁あってここに集われている方々も あの衝撃的な事件に、当時はどのような感を抱かれたでありましょう。あれから先程の午後12時15分でちょうど40年が経ったのであります。 無論生前の出来事でございますからリアルタイムで私はこの事件を知るわけではありませんし、また、三島文学の愛読者ですらありません。 しかしながら生命を断つ勇気すら持つことなく、生まれてこのかた戦後の豊かさ利便性を享受し生き続ける私が彼を批判する術はありますまいし、彼が、割腹前に叫んだ「生命尊重以上の価値を見せてやる」という言葉、そして事件三か月前に氏が産経新聞紙上に残した言葉は学生の時分より私の心を捉えて離しません。 「私はこれからの日本に希望を持つことができない。このまま行くと日本はなくなってしまうのではないかという感を日増しに強くする。日本はなくなってその代わりに無機質な、空っぽな、ニュートラルな、中間色の富裕な、抜け目がない、ある経済大国が極東の一角に残るであろう。それでもいいといっている人たちと、私は口をきく気にもならなくなっているのである。」 この言葉は40年の時を経、益々確固たる現実感を持って我々に迫りつつあり、事態も益々悪化の一途を辿りつつあり、日本を日本たらしめてきたものはもはや消えうせたといっても過言ではありますまい。人々は緩き微笑みに顔を見交わし、外国(とつくに)の金銭は人々を走らせ、偽りの人間主義をたつきの糧となし、偽善の団欒は世を覆い、年老いたる者は卑しき自己肯定と保全に明け暮れ、年若き者は小志の道へ、羊の如く足並みを揃え、生賢げな安住の宿りを営み、世に時めく者は自己満足のいぎたなき鼻孔を膨らませ、感情は鈍麻され、鋭角は摩耗され、激しき者、雄々しき魂は地を掃う今の日本は、インドのマハトマガンジーが述べた如く、 「理念なき政治・労働なき富・良心なき快楽・人格なき教育・道徳なき商業・人間性なき科学・犠牲なき宗教」 という7つの大罪に覆われ尽くしております。 さらには戦後、日本の魂を売り渡し払って獲得した「経済大国」という看板すら下ろさざるを得ない時すら到来するにつけ、彼をして口を利く気にもなれなくなっていると言わしめた「それでもいいと思う」者達どころか、思考も停止し不思議とも思わなくなった若者達が圧倒的大多数を占めるこの戦後日本を作りだした年配者が、もはや若者に講釈をたれる資格とて微塵もないとうなだれ猛省するのもわからないではありません。しかしながらあらゆるツケを回されつつある我々の世代は愚痴を言っている暇はありません。 我々自民党は政権奪回に向け、反転攻勢の準備を整えつつあります。日本の為にならぬでたらめな民主党政権を打倒するため来る統一地方選挙、翌々年の都議会議員選挙、そして総選挙にて我々は民主党を真っ向迎え撃つ、そして自民党が再び政権の座に返り咲く様が皆様の眼前に間もなく繰り広げられるでありましょう。戦機は熟し、自民党再浮上の時がいよいよやってまいりました事を高らかに謳い上げ、質問に移ります。 1 港区内に大使館を有する国への見舞金、義援金についてお伺い致します 我が国の主権をおびかした尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件。これらを契機とした盗人猛々しきが如き中国国民による反日デモの頻発。とりわけ内陸部である四川省においては成都市をはじめとした日系小売店への投石によるショーウインドー破壊など反日デモが最も発生した地域となった事態を鑑みるにつけ、2年前の決算特別委員会にて指摘した通りになりました事を否定する方はおりますまい。すなわち我々が四川省に差し上げた見舞金、義援金、救援物資などは全くの無駄、無意味に終わったという歴然たる事実であります。 政経不可分を主是としてきた国家姿勢が、いつしか経団連が主導する尻舐め外交に変じてからはや11年。これはすなわち北方領土問題未解決にもかかわらずトヨタが国家より経済を優先し、サンクトペテルスブルグに進出した事態以来を指しておるわけでございますが、領土問題を有する国家、平和条約未締結の国家に対する対外見舞金・義援金の類は一切無用であるという日本が堅持してきた姿勢の貫徹こそが最大の解決策であるという至極当然の理屈を裏付けて余りあります。 ・日ごろ親中を公言して憚らない関係者は? ・日中友好を唱える者たちは? ・靖国参拝を控えることが日中友好に資するなどという寝言を吐いていた者たちは? ・昨年12月10日の総勢600人強にものぼる国会議員による大訪中団は? 彼らは一体何が出来、今一体何をしているのか、ついぞ耳に入りませんが、おそらく冬眠に入っているのだと予想されます。 いうまでもなく中国外交を動かしているのは至極当然の原理であり、世界外交の通義であるパワーポリティクスに則っているのみであるということを認識して余りある事案を日本人はどのように考えるでありましょう。今回の事件が日米中関係の構造の変化に伴う必然であり、一過性のものではない事、中国は遠からず再び必ず仕掛けてきます。 靖国参拝を自粛するなどという主権国家とはいえない惰弱な姿勢も何ら資する事はなかったこの事案を鑑み、港区が定めております「外国の都市等に対する災害見舞金等の取り扱い事項」による選定基準が、「港区内に大使館その他外国公館が所在する国の領土内で災害が発生した場合、被災国に対する災害見舞金及び救援物資を贈呈する」というものであります以上、 特に終戦後、現在に至るまで北方領土を65年3カ月にわたり不法に占拠し続けるのみか、今月1日には、メドベージェフ大統領が国後島を訪問し、実効支配をアッピールするなど領土解決への道程が益々悪化の一途をたどる対ロシア、その平和条約を締結していないロシアにも災害が発生した場合、見舞い金、義援金、救援物資を渡す可能性が港区として厳然とある以上、慎重かつ極めてセンシティブな判断が区、そして議会に求められるのではないかと思われます。 無論、私個人としましては平和条約を締結していない国、そして近代国家構成要素概念としての国家主権、日本国民の生命財産を脅かす拉致などを侵す国や、領土問題を有する国に対する見舞金、義援金の類は主権国家として不要であると考えております。そもそも災害の主因が国家社会構造にある、すなわち人災であると判断せざるをえぬ事例が多数を占める以上、もちろん、被災者の方々の不幸は同じ人間として悲しむべきでありますが、しかしながら、被災した方々の悲しみは逆に純化された怒りとして自国の不当な政権を打倒する機運とならねばならないというのが国際社会の蓋然であります。ヒューマニズムというものに裏打ちされた見舞金、義援金の類が、あり得るべき民衆蜂起の機運に水を差し、すなわち見舞金、義援金という外部によるガス抜きが、むしろその国の不当な政権打倒への高まり得る民衆の熱いエネルギーに水を差してしまいかねないかと危惧しております。 一自治体の港区として、被災地で実際に困窮を極めている同じ民間人に対する区の配慮に理解がないわけではありません。将来を見据えた中長期的な視野で援助を行うか、問題を先送りにしてでも、現在飢え、困っている人々に援助を行うか。日本が両立に今まで失敗してきた以上、どのように困窮している民衆にどのような距離感をあんばいしていくべきであるのか。答えは出ません。しかしながら、人類が挑むべき世界平和という大テーマへの志向に怠慢を生じさせることは断じて避けなければなりません。一歩一歩歩む前に走る方向を考えるべきか、走り方を考えるよりもまずは一歩歩むことか、支援とは何であるのか。行政、議会とともに悩みに悩んでいる筈でございます。 区長、そして議長の御見解をお伺い致します。 問われれば何千回でも同じ答えになるでしょうが、友好とは日本が譲歩することではない筈です。 御用聞き外交を展開する民主党政権の一刻も早い退場が望まれております。我々は超然としているべきであり、毅然たる態度の継続こそが今後の外交交渉を形成する最重要因であるということを失念してはなりません。 2 主権についてお伺い致します 地域主権なるとんでもない迷妄語がたびたび本議会場、委員会場にて口にされるという嘆かわしい事態が現出されております。「地域主権」なる迷妄語がスローガンにすらなっている政党も私の耳目が確かならば見受けられます。 いうまでもなく主権とは国家にのみ存する概念であり、主権によって成り立つのが国家であります。独立国家もしくは連邦制を志さぬ以上は、地域主権なるそのような言葉は存在しえぬ代物であります。「地域主権」を口にする方々はあたかも主権が分割可能なものの如くに申しておりますが、「主権」は分割不可能な至高の観念であり、それは国家のみが保有しうるものである事は明白な近代国家概念であります。 繰り返しますが、「主権」とは国家固有の至高の観念であり、分割不可能な観念であるがゆえに、国法の尊厳と正統性が保障されるのであります。このことに関しましては国家の大小にかかわらず、如何なる小国といえども国家である限り「主権」を有していることは世界共通認識であります。 16世紀半ばの1576年、フランスの法学者ジャン・ボダンが著した「国家論=国家に関する六書」以来、「主権」とは対内的には国家統治の最高権力すなわち対内主権、対外的には最高独立性すなわち対外主権、ひいては主権下にある領土、領空、領海、その他を外国におかされてはならないとするものであります。主権の在り方を制定した基本法が憲法であり、憲法の枠組みの中で主権は行使される以上、憲法を超越して主権は成立致しません。 主権が外に向けての独立、内に向けての排他的統治権を意味するとする、長い年月の間に成熟した専門概念である以上、「地域主権」なる概念が入り込む余地は存在しえぬことは子供にもわかる理屈であります。 憲法、政治、体制理論的にはあくまでも官僚主導の中央集権体制への対案は、地方分権体制であり、「地域主権」体制ではありえません。 「地域主権」という限り、国権すなわち国家主権の発動たる戦争に至る宣戦布告はもとより、立法行為から安全保障までの全責任を取らねばなりません。「地域主権」を口にする方々がそれほどの覚悟を有しているようには到底思えないのであります。「主権」という観念への厳粛性は微塵も感じられず、いやむしろその厳粛性を愚弄しているとしか言いようがない。ましてや「立憲君主国」たる日本国の政体との整合性はどうするつもりなのか。 我が国は肇国以来、万世一系の男系継承たる聖上(せいじょう)を戴く君主国であり、一度として分裂国家になったことはないというのが国家公式見解である以上、「地域主権」なる迷妄語が跳梁跋扈する状況は看過すべき問題であると考えますが区長の御見解をお伺い致します。 3 日本人としての誇り高き資質、教育の育成についてお伺い致します 先にも述べましたが、国家公式見解では日本における最長の伝統とはいうまでもなく、2670年、125代連綿たる万世一系の男系継承たる皇統でありますが、世界の方々が日本の事について最も関心を抱く世界最長のこの伝統について、日本国民の約7割がこの最根幹事項をいまだに理解できていないという嘆かわしい事態が現出されております。 現存する世界192カ国の中で日本は最も歴史が古く、政体こそ幾度の変遷を経つつも、他国とは違い文化を破壊する王朝交代を経験することがなかったがゆえに、国体が一貫して継続しており、結果最も幅が広く、もっとも奥深い文化を持っておることを子供たちは認識しているのでしょうか。 また、日本語は現存する世界の国々においてもっとも古くより使用されている言語であり、漢字、ひらがな、カタカナの三種類の文字が有機的に機能し、かつ文字の羅列に留まらず視覚にも訴えるという稀有な多元的文字伝統を誇っております。そのような歴史と多様性を有するがゆえに情感が豊かに養われ、俳諧などの文化を生み出したばかりか、なんといっても神代に通ずる世界最古の誇るべき言語なのだ。などという認識が果たして子供たちにしっかりと教えられているのでしょうか。付け加えますとこれ程までに古い言語を一様に一億人以上が話している国は世界では皆無であります。人間はその語彙を大きく超えて考えたり感じたりすることはできません。母国語の語彙は思考であり、情緒なのであります。日本語を話すが故に我々は世界で最も情緒、情感が優れているという実態は言うまでもありません。 13世紀までにはおおよそ万葉集、古今集、源氏物語、方丈記、徒然草などなど世界に冠たる作品文化が完成していた文学はいまさら言うに及ばず、世界に誇る普遍的価値をもつ華道、茶道、書道、能、狂言、歌舞伎、相撲、柔道、剣道などなど、そして例えば音楽文化。1600年の歴史を積み上げた立ち居振る舞い、楽器、言葉、衣装にいたるまで洗練され尽くした雅楽こそが最高の音楽であるという世界の評価、付け加えましたら日本でいえば江戸時代に始まった欧米のクラシック音楽は歴史的には雅楽に比してポピュラーミュージックの類でしかなく、本来クラシック音楽と呼ばれるべきは日本の雅楽だけであるという圧倒的事実。 例えば食文化。懐石料理、大衆料理、居酒屋、焼鳥屋、寿司、天ぷら、そば、うどん、たこ焼き、もんじゃ焼き、牛丼などなどそれぞれの専門店があるという豊富な食文化を誇る以上、ミシュランなんぞに格付けされるいわれはないわけであります。 そもそも世界人類で最初に煮炊き、すなわち調理したのは日本人であります事は、約1万7千年前の世界最古の土器である青森県の大平山元Ⅰ遺跡出土土器によって明らかともなり、世界最初に酒を飲み交わしたのも日本人であったことも事実であります。欧米諸国が獣を捕らえて生肉を食していた時分に、我々の先祖は酒と焼肉を楽しんでいたわけであります。 また、日本史ではなくて国史という名称に断固としてすべきでありますが、どこの国であれ国の歴史教育は建国の神話から始まります。 「13歳までの子供たちに自国の神話を教えつづけなければその民族は必ず100年で滅びる」とは、歴史家アーノルド・トインビーの言葉でありますが、日本では建国の経緯、神話が歴史教科書に記されておらず、なんと地質学、考古学から展開されるという極めて特異なものを使用しております。これは日本人に生まれたからには日本とは何かを教わる権利を子供から奪っているという万死に値する罪であるといえましょう。 日本人として生まれながらも、日本がどのようにして建国したのかを知らない。そんな大人が英語を学ぼうと騒いでいる。こんなに不幸なことはありません。 このような現状の中で、子供たちが本来持つ日本人としての誇り高き資質、教養を醸成するためにも、まさに教育が最根幹であると考えますが、教育長の御見解をお伺い致します。 また、新学習指導要領のもとで今後どのような指導を行っていくかについてもお伺い致します。 伝統について一言申し加えます。都合良く現代に合わせる事に価値を見出す風潮が蔓延しているなか、私自身は実生活における差別、不平等、人権侵害には断固反対致しますが、しかしながら古より続いている伝統、儀礼、文化、芸能、祭事などに於いては守ってきた形態を現代の時代に合わせて変える必要はないと考えております。伝統、儀礼はどの社会においてもその社会の歴史文化と密接に結びついた表現をもっておりますが、それを行う社会の状態はいつも同じというわけにはいきません。時には伝統、儀礼の表す文化と、社会の実態とが乖離してしまうこともあるでしょう。「伝統」とされるものを何もかもすべて社会変化に合わせていいのか。 伝統というジャンルに関しては、芸能であれ工芸であれ、現代の考え方や様式に合わせていじる必要はないと思っております。それこそ当時の文化が伝承されているのであり、もとより現在の考え方や様式に合うはずがないのです。 伝統文化に「現代」というメスを入れようとするなら相当な覚悟と明確な理由が必須であり、そしてそれ以前に部外者が伝統文化の「核」に触れることへの畏怖があってしかるべきでありましょう。また伝統とされるものはどこの国であろうと日本以外の新しい国であろうとグローバルスタンダードを最も避けるべきものであります。「伝統」は民族の血や風土が育て伝えてきたものであり、「グローバルスタンダード」なる流行の造語による「世界基準」を回避すべき最たるものであります。自国の伝統や文化すなわちネイティブな事象に対し、「スタンダード」つまり「標準」を導入してしまえば、何もかもグローバルスタンダードで平らにされる暴挙に潰されかねない。伝統に対する真摯な姿勢を堅持して頂くことを強く要望して次の質問に移ります。 4 町会加入促進についてお伺い致します 港区は地域の課題を、より身近な地域で解決することを目指し、平成18年度より総合支所制度を導入致しました。さらに、昨年4月からは総合支所の組織改革を行い、地域に必要である様々な活動を地域の方々と共に推進してゆくため協働推進課が設置されました。 区民からは「行政の顔が見えるようになった」、「区役所が地域によく目を向けてくれるようになった」などと概ね良好な評価がなされているようであります。しかしながら、地域の課題を解決し、より快適で、安全、安心な街づくりを実現してゆくためには、行政の力だけでは限界があり、地域の人たちで作る町会、自治会などの組織が果たしてゆく役割が大きいことは言うまでもありません。 ところが、町会等の方々からお話を伺うとおしなべて町会員の確保に苦慮しておられます。特に地域の事業者に加入のお誘いをしてもなかなか加入してもらえない。地域をより住みよい街にするためにも、事業所にも積極的に参加してほしいなどの声を耳にします。 むろん戦後の町会は地縁による任意団体であり、加入を義務付けられたものではありませんけれども、「大規模災害時における地域コミュニティ構築の必要性」「防犯パトロール等による体感治安の向上」などの共助こそが地域に求められていることに異議を唱える方は少ない。とはいえ町会未加入者が言い放つ「入るとどんなメリットがあるのか」という質問、すなわち与えられることに慣れた者特有のとんちんかんかつ素っ頓狂な質問に見られるようになかなか町会加入、地域コミュニティ構築が進んでいないのが現状であります。 平成17年の国勢調査の結果を見るに港区の人口構成は、昼間人口が夜間人口の約5割と圧倒的に多く、昼間人口を構成する事業所の地域活動への参加促進が特に必要であります。確かに多くの事業所が積極的に企業の社会的責任を果たすという意味であるCSR活動を実施し、地域清掃などを行っている様子は見かけるようにはなりましたが、依然町会などへの加入は少ないとも聞いております。  進まぬ事業所などの町会への加入についての区長の御見解と加入促進に向けた取り組みについてもお伺い致します。 また、事業所が多いため加入が進んでいない赤坂、青山地区における取組についてもお伺い致します。 5 公園についてお伺い致します 大人の大人による大人のための利便性のもとで、子どもたちのための空間がないという事を一貫して訴えて参りました。大人の目線による大人にとって都合のよい大人にとって快適な子どもの遊び場ばかりで、本来遊びの天才であるはずの子どもたちがかわいそうでなりません。大人の目を気にした大人に媚びる子供が異常に増加しつつあります。 区内における都立公園、象徴的な事例として、南青山一丁目公園におきまして、子どもがボール遊びするたびにクレームをつける近隣住民による連絡により、子供たちが駆けつけたお巡りさんに取り囲まれるという異常な事態が頻出、増加しておりましたが、本会議場、委員会場、そして現地における再三にわたる私の要望、区長、担当課長による都への要望などにより、看板に記された禁止事項のうち「野球サッカーなどのボール遊びは禁止です」の事項はテープにて消される処置がなされました。しかしながら現在もそのテープが剥がされるなどの抗議めいた行いが頻発している実態を鑑みるにつけ、つくづく子供嫌いの大人は言うに及ばず、一見子供を好きかのような擬態を見せつつもその実は、大人に都合がいい、大人の言う事を無思索に聞くいわゆる「いい子ちゃん」のみを可愛がる潜在的な子供嫌いな大人が増殖している事を実感せずにはおられません。 ある調査によると、小学校の学年の子供たちに外遊びを増やすにはどうしたらよいかとの設問に対し、「お母さんの言う事をよく聞いたらよい」「賢くする」「宿題や勉強を早く終わらせる」等の答えが目立ちました。いかに子供の生活が大人から管理コントロールされているのかが如実に伺えます。 昨年、検挙された俗にいう「おやじ狩り」を断続的に行ってきた都心の少年団は「金品などどうでもよかった。大人たちに仕返しがしたかった。幼いころよりうるさい、邪魔だと言われ続けていた」と犯行動機を吐露しておりました。暴力行為は到底是認できるものではありませんが、子供を管理し、大人の都合のよいように子供を型にはめること、子供の居場所を奪い、その場所を高齢者やカップルや観光客ばかりが占拠する事を優先させていれば、いずれ必ず痛烈なしっぺ返しが来るのだという事を社会や大人たちは覚悟した方がよい。 現在全国小中学校の不登校は17万4千人。引きこもりの若者は70万人と言われております。子供たちの悲鳴が聞こえてくるようです。 さて、大人が子供の遊びを考える時、遊び場というハード空間について言及されがちでありますが、子供の視点からの公園整備について区の考えをお伺い致します。 また区内公園ではボール遊びは禁止されてはいない筈ですが、現在でもボール遊び禁止との看板が掲げられているところを散見致します。区内公園にてはボール遊びは禁止ではないという事の徹底を宜しくお願い致したく強く要望致します。 6 電線類の地中化促進についてお伺い致します 日本が誇る世界的指揮者小澤征爾が若き頃、名門ニューヨーク・フィルの副総指揮者に彼を抜擢したレナード・バーンスタインは以下のように小澤征爾に問いかけます。 「征爾、お前は幸福な奴だ。あんなに優れてあんなに美しい国日本で育ったなんて…。それなのになんでニューヨークなどに住む気になったんだい?」と。 その後数年を経ずして電柱が林立し、電線が張り巡らされる景観に変容した日本にもバーンスタインは数度来日しておりますが、何を思ったのでしょう、その後、日本の景観についてはただただ沈黙を守ったようであります。 武井区長は就任時に「電線類の100パーセント地中化に取り組む」と施政方針を表明されました。区民の多くはその決意に喝采を送ったわけであります。 林立する電柱、張り巡らされた電線は良好な景観を損ねるばかりではなく、震災や台風などの災害時における電柱の倒壊、電線の切断等により避難や救助活動に大きく支障をきたすこととなります。 電線類の地中化が推進されることは、震災時には設備へのダメージが少なくなるなど都市防災機能の強化が図れること、安全な歩行者空間が確保されること、何よりも質の高い都市景観の創出が可能となります。世界における先進都市の多くが電線地中化を当然の事としている現在、世界に冠たる東京の都心区としても、さらには安全かつ安心な街づくりのためにも、この事業は大いに進めるべきものであると確信する次第であります。 現在の林立する電柱、張り巡らされた電線という姿は、戦後の復興の為に急増した電力・通信重要に対応すべくというやむをえない事情もありましょうが、何とは言っても当時の方々の景観に対する意識の低さに起因するところが大なのでありましょう。世界に冠たる東京として次世代に誇りの持てる美しい街並みを残していくことは、現代に生きる我々の責務であると考えます。 東京都においては、平成27年度までに、センター・コア・エリア内と呼称される荒川と山手通りに囲まれた区域における都道の電線を100%地中化すべく事業展開しております。また、電力・通信分野の自由化の進展等に伴い、電線管理者の経営環境は厳しさを増している現状において電線管理者の協力が不可欠な地中化事業に対して、各電線管理者も社会的使命として地中化事業量の拡大に協力を惜しまないなど、国、都、区、そして電線管理者の協力体制の下、電線類地中化への取り組みが積極的に展開されていると実感されます。 街を歩いておりますと地元の方々から多く寄せられますのが、電線類地中化への要望でございます。しかしながら、電線類地中化を推進するには、地上機器の設置が必要なため、歩道が狭いもしくは歩道がない道路では整備が困難となる事、現状の道路には水道、下水、ガスなどの管路が既に入っており、これらの施設を整理した上での整備となるため、工事が一般的に4、5年という長期にわたる事、さらに、夜間工事や一時的に歩道が使えなくなるなどの不便を鑑み、地元の理解と協力が必要なことなど、様々な課題があると認識しております。 港区としても電線類地中化事業に大きく力を入れていることは認識しておりますが、現在の区道の地中化率は約16パーセント、平成17年度からの地中化実績が約2500メートルで全体の約1,1パーセント程度となかなか事業実績の数値が伸びていない状況でないかと感じているところであります。やはり先に述べました諸要因による妨げ、とりわけ区の管理する道路は約220キロメートルのうち、そのうち整備が技術的に困難であろう8メートル未満の道路が約149キロメートル、全体の67%を占めている実態は大きいのでしょう。 なかなか数値が好転しない主因はそこにある事は理解しております。 しかしながら、可能と判断できる約73キロメートル、約33パーセントをいかに進めるかが重要と考えます。今後の電線地中化推進に向けての取り組みについてお伺い致します。 7 体感治安改善事業についてお伺い致します 平成22年11月から赤坂地区におきましても麻布地区に次いで区内2か所目の体感治安向上に向けた夜間パトロールが開始されました。協議会を立ち上げて間もないとはいえ、当事業に対しては地元の強い期待の目が注がれております。地元赤坂小学校の児童に対する、不審者による乗車への呼び掛けなどの看過しえぬ事態が頻出、増加している赤坂地域においては強い期待は無理らしからぬところであります。 また、健全で魅力あふれる繁華街を構築していく事は多くの人が安心して集える街として、さらには犯罪抑止にも効果が期待できます。赤坂地区における、パトロールに留まらぬ今後の活動計画についてお伺い致します。 さらには、赤坂のみならず区内他地域各総合支所におきましては、各推進協議会のもと環境や防犯に資する活動がなされている事ではございますが、麻布地区、赤坂地区の体感治安改善事業に続く区内各地区への拡大の予定などについてもお伺い致します。 8 地球温暖化対策についてお伺い致します 温室効果ガス削減への取組みについてです。 「生物多様性条約第10回締約国会議」いわゆるCOP10が、先月18日から29日の日程で、179の締約国、関連国際機関、NGO等1万3千人以上が参加し、愛知県名古屋市で開催されました。COP10では、今後の生態系保全の国際目標「愛知ターゲット」とともに、最大の焦点だった微生物などの遺伝子資源の利用と利益配分を定めた「名古屋議定書」が採択されました。この名古屋議定書をめぐる議論では、宗主国であった西欧諸国と植民地であった発展途上国との深刻な対立で合意が危ぶまれましたが、10月30日未明、議長提案の採択という劇的な幕切れで決着したことが報じられました。 当初より途上国の発展を抑制し、都合のいいルールを作る目論見で参加しておりましたアメリカはメリットがないというわかりやすい理由で自分勝手に早々と離脱しておりますが、それは置くとしまして、このCOP10での議論を通じて、生物多様性の重要性やその保全に向けた行動、さらには世界の国々との連携が重要なのだと認識を新たにされた方も多くいたのではないかと思います。 地球温暖化、エネルギーの大量消費など、生態系の一員として他の生物との共存を求められているにもかかわらず、「いのち」と「暮らし」を支える生物多様性を、私たちは自らの手で危機的な状況に陥らせています。人類を含め地球上全ての生物が危機にさらされている状況から、生物多様性を損ねることなく繁栄ができるよう、人間社会を自然に調和させることが重要な事はいうまでもありません。 生物多様性の保全と同様、地球温暖化や資源・エネルギー問題など、地球規模の環境問題は、今やグローバルな視点で全世界が足並みを揃え、対策を講じていく必要があります。 1992年ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(地球サミット)において、この「生物多様性条約」と並んで地球環境分野で採択された「双子の条約」といわれる、地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した「気候変動枠組条約」があります。この条約にもアメリカは自分勝手に離脱しております事は御存じだと思います。   昨年、デンマークのコペンハーゲンで開催された気候変動枠組条約締約国会議COP15では、京都議定書の約束期間終了後の2013年以降の国際的な枠組みの合意に至りませんでした。 今月29日からメキシコで開催される気候変動枠組条約締約国会議COP16においても、地球温暖化阻止の枠組み達成が危ぶまれています。 我が国は、安部元総理が2007年5月に「美しい星へのいざない」として、長期的に温室効果ガスの排出量を2050年までに半減することを世界に提案して以来、福田元総理、麻生元総理の時期を通じて、一貫して低炭素社会づくりへの道を歩んでおります。 過去に2度のオイルショックに見舞われた日本の産業界は、省エネ技術の開発に力を注ぎ、世界に誇る技術を確立してきました。世界をリードしている日本の環境技術は少なくありません。こうしたグリーンイノベーションを推進していくことで、雇用と経済的繁栄を創出するとともに、低炭素化社会づくりが可能になるものと考えます。 さて、港区においては、2007年度の温室効果ガス排出量は、443万トンと基準年比48%増となっております。また、港区の二酸化炭素排出量の内、業務部門の排出量も305万トンと約7割を占め、依然高い水準となっています。 区は、港区から排出される二酸化炭素排出量を1990年度比で2020年度に25%削減するという先進的な目標を実現するため、昨年10月に「港区地球温暖化地域推進計画」を策定し、その具体的な施策を掲げました。また、本年4月からは、新たに環境リサイクル支援部を設置し、既存建築物の省エネルギー化の推進や民間開発事業における低炭素化への誘導など、地球温暖化対策のための推進体制の強化を図ってきました。 こうした区長の姿勢は、地球温暖化対策に重点的に取り組むことで、居住と都市活動が調和のとれている都市の実現を目指すものと考えています。 そこで、区内の温室効果ガス排出量を抜本的に減らしていくには、先ずは業務部門の排出抑制が重要であると考えます。 今年度から東京都において、大規模排出事業所への総量規制や民間建築物の環境配慮への誘導が強化されたことなどを受けて、例えば、田町駅東口北地区公共公益施設建設をモデルに、新たな民間建築物の温室効果ガスの排出を抑制し、低炭素化型の建築物を誘導することが有効ではないかと考えますが、区はどのような対策を検討しているのか、お伺いいたします。 太陽光発電などの再生可能エネルギー、ハイブリット車や電気自動車、省エネビルの建設などグリーンテクノロジーでは、日本は世界で最もエネルギー効率の良い先進国といわれており、そうした最先端の環境技術を活かした街づくりを誘導する上でも、有効な施策となるよう期待するものであります。 次にみなとモデル二酸化炭素固定認証制度についてお伺い致します。 都市化が進む港区では、意欲的な温室効果ガスの排出削減目標を達成するために、区外において削減効果が見込まれる対策に積極的に協力することも大事であると考えます。 麻生元総理は温室効果ガス削減の中期目標を発表する際に「未来を救う世代になろう」と呼びかけました。 港区が森林資源の豊かな全国の自治体と連携して進めている国産材活用の取組みは、木材を建物に使用することによる二酸化炭素の貯留促進と森林整備の促進による二酸化炭素吸収量の拡大という地球温暖化対策としての効果はもとより、対策が緊急の課題になっている日本の林業を建て直し、豊かな国土と自国の資源を将来の世代に引き継ぐという、我々の世代の責任を果たすという意味でも、非常に重要な取組みと考えます。 是非、この取組みを区有施設に限らず民間の開発に広げるために、現在検討中である「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」の構築を早急に進めていただきたいと思います。検討の進捗状況についてお伺いします 9 高齢者福祉についてお伺い致します 港区の人口は20万人を超え、これに伴い高齢者の人口も着実に増加しており、現在では3万6千人を超えております。全人口に占める65歳以上の人口の割合である高齢化率は17.6パーセントに達しています。この数値は、東京都の高齢化率20.2パーセントよりは低いものの、今後は港区でも高齢化が進むのは明らかです。 また、要介護(要支援)認定者数は、平成17年度の5,594人から平成21年度末には6,589人と増加しております以上、今後介護需要がますます増大することは予想に難くありません。 このような状況のもと、今年の7月、足立区の事件を発端とした高齢者の不明問題、「高齢者の見守り」や「無縁社会」といった問題点がマスコミにより浮き彫りにされました。 港区は、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けられるよう、一人暮らし高齢者の見守り事業として配食サービスや緊急通報システムなど様々な事業を実施しています。また、本年4月に特別養護老人ホーム「ありすの杜」が開設したことにより、港区は23区で1番の特養の整備率になるなど、高齢者の住まいについても様々な施設を整備しております。今後の整備については、現在見直しを予定している港区高齢者保健福祉計画の中で検討されることと思います。 そこで伺いますが、厚生労働省の平成22年5月の「介護保険制度に関する意見募集」の結果には、自分に介護が必要になった場合の介護希望について、「自宅で介護を受けたい」とする人が約70パーセントいるという実態は見逃せないものがあります。このような結果からは、施設整備や見守りだけではなく、在宅で介護、看護をしている人に対する支援が今後さらに重要になると導き出されますが、区長の御見解をお伺い致します。 また、公共や民間の様々なサービスを熟知し、必要な人に適切にアドバイスできるコーディネーターが必要だと思いますがこれもお伺い致します。 今、介護が必要な人に対する行政の支援の考え方を質問しましたが、本来はいつまでも健康でいきいきと生活できることが一番幸せなことは言うまでもありません。 適度な運動をすることしかり。高齢者が要介護状態に陥ることなく、健康でいきいきと生活するためにも、生活習慣病などの病気の予防に加えて、転びやすくなる、認知機能が低下するなど加齢とともに現れる生活の不具合を予防することが大事です。 港区では、平成25年に介護予防総合センターを開設する予定です。また、平成23年度から福祉会館から移行するいきいきプラザにおいても介護予防を事業の大きな柱として位置づけています。今後ますます介護予防に力を入れていくと考えますが、どのように展開されるのかお伺いします。 10 新郷土資料館についてお伺い致します 次に、区有地を活用した新郷土資料館の整備についてお尋ねします。 平成17年9月に「港区新郷土資料館第2次基本構想報告書」が策定されてから、既に5年が経過しました。 郷土資料館には、区内外からの貴重な寄贈資料や寄託資料、購入資料が着実に蓄積され、現在では、約6万点の資料が収蔵されています。こうした資料が十二分に活用され、誰もが歴史や文化を通して港区を知り、探求し、交流する拠点となる、新たな郷土資料館の整備計画が早期に具体化することを願ってやみません。 これは、我が会派の先輩議員のみならず他会派議員も以前から繰り返し主張してきたところです。 私自身も出版社にて執筆、編集をしていた時分には、港区郷土資料館の学芸員さんとよく仕事をしました。実に南北朝期、戦国期などの貴重な史料も豊富に収蔵されており、ポピュラーな戦国時代本に掲載する史料も御提供いただきました。また、幕末ものの本を製作しました折「お台場砲台」の特集を私が担当しました時も郷土資料館の学芸員に執筆を依頼致しました。結果、お台場砲台を設計した江川太郎左衛門による西洋砲術を参考にした幾何学的配置な軍事構築物であるとされてきた「砲台」の配置が、実は澪筋を避けて洲の先端に配置した地形に制約された現実的なものであったという指摘がなされ、現在のお台場砲台の通説になりつつあります。 日本には、その各地に様々な郷土資料館がございますが、なかには箱ものについていけていないところも多数ございます。物理的に乏しい資料、事実性に疑義がある資料を有しているところ、本当に学芸員なのかという人材が応対しているところなどに直面することも多く、四苦八苦していた我々歴史編集部にとりましても、企画意図、依頼趣旨のみならず迅速な対応そしてそれ以上の新機軸を数多く打ち出してくれた港郷土資料館に対する評価がとりわけ高かった事、そして豊富な史料、人材の高いポテンシャルも実感として知っているだけに三田図書館の上という現在の設置場所に甚だ物足りなさを、そして整備計画への強い期待感を覚えております。 以前、新郷土資料館の立地条件としては、多くの来訪者があり、歴史や文化を通して港区を知ってもらうのに適した場所、交通の便がよく、多くの文化財が近くにある文化の香り高い場所、また、誰もが歴史に親しみ、気軽に来館できるような場所という教育委員会の答弁があったと記憶しています。 しかしながら、大幅な特別区民税の減収が見込まれ、区財政の見通しが不透明な状況の下で、新たな土地を取得するというのは、非常にハードルが高いのではないでしょうか。 そこで、活用策が未だ確定されていない、平成21年3月に取得した、白金台四丁目の「旧国立保健医療科学院跡地」での整備を検討しては如何でしょうか。 当跡地は、地下鉄白金台駅に程近い場所、目黒通り沿いに位置し、交通の便という意味では申し分のない立地といえます。また、以前、我が会派の菅野議員が提案したように、隣接する白金台四丁目児童遊園と一体的に整備し、児童遊園を拡張することで利用者のアクセス向上が図られる可能性もあります。 文化の香りが高いという意味でも、庭園美術館や東京大学医科学研究所、明治学院大学、清正公覚林寺や瑞聖寺、自然教育園という広大な緑が近傍にある当跡地は、多くの区民が集う郷土資料館に相応しい場所といえます。 そして何より、昭和13年に建設された、著名な設計者によるネオゴシック様式の風格と趣のある外観は、様々な歴史の舞台となってきた港区の郷土資料館に相応しいのではないでしょうか。こうした歴史的建造物を、地域の歴史と文化の伝承の場として活用している例は、横浜開港資料館、名古屋市市政資料館など数多くあり、いずれも市民に親しまれ、街のシンボルとなっています。 調査研究施設から郷土資料館への転用には、十分な展示スペースの確保など課題や制約があるとは思いますが、「旧国立保健医療科学院跡地」を活用した新たな郷土資料館の整備について、区有財産の有効活用を図る区長の立場から、そして、地域・郷土への愛情を育む公教育に熱意を持って取り組んでおられる教育長の立場から、それぞれ御答弁をお願いします。 11 首長の育児休業収得についてお伺い致します 首長の育児休業が話題となっております。広島知事、文京区長、三重県の伊勢市長、大阪府の箕面(みのお)市長の事例。これに対し、7人の子供を持つ大阪府の橋下知事が首長の育児休業取得に「甘く見ている。公務に支障が出ることは承知していると言うべきだ」と反対の姿勢を打ち出し論争を呼んでおります。 実際、広島県に寄せられた意見165件のうち140件という8割強が「危機管理上問題だ」「そんな暇があるのか」などと知事の育休に否定的な意見でありました。 石原都知事による「首長も人の親、いいことだと思う」との発言もありましたが、世間では概ね否定的な向きが多いように見受けられます。 私自身は核家族化が進行した現況では、父親の育児参加は必須であり、育休が取れる社会には賛成です。しかしながら首長の育休はあくまでも世間が育休をとれる環境になってから取るべきであり、何より首長の公人としての立場、私人としての立場を曖昧にするのは如何かと思っておりますが、区長の御見解を伺いたく存じます。 これにて質問を終わります。皆様、御清聴ありがとうございました。