平成23年 平成23年第1回定例会 平成23年度予算特別委員会 【衛生費】
要旨
【衛生費】
1 地域猫について
(1) 地域猫を世話している方と地域の方々との間に生じる確執の克服について、港区が行っている事案を改めて伺う。(2) 他区の認証制度を参照して港区の実状等に合致する部分としない部分は。
2 その他
全文
◯委員(赤坂だいすけ君) 初めて、野良猫について取り上げます。
私も不勉強で、野良猫と地域猫の違いについて調べましたら、地域猫というのは、管理者はいるけれど所有者はいないという状況を言うみたいです。ですから、通常は野良猫であるということで、よく、野良というのは差別なのだということを言う人がいますけれども、それは間違いです。いろいろ調べましたら、万葉集第6巻に野良と出てきます。「荒野らに里はあれども大君の敷きますときは都となりぬ」、とてもいい歌なのですけれど、それが初出だと思うのですが。野良というのはきちんとした言葉です、今は。野良ネズミとか言いますけれども、それは管理者がいるわけがないから、地域ネズミなどと言わないわけです。あくまでも、野良ネズミ。
質問に移ります。うちの近所に、猫おじさんというのがいるのです。私が青山公園で散歩をしていると、猫に近づくと私の子どもを怒るのです。食べているときに声をかけられたら、あなただって嫌でしょうと、当時2歳のうちの子どもは怒られていました、その猫おじさんと猫おばさんに。声を上げても、びっくりするでしょうと怒られるのです。公園で結構評判の悪いホームレスの方とも仲よくなりまして、猫おじさんと猫おばさんの独壇場です、今は。私も、ペットとか動物は好きなのです。かわいいと思うのですけれども、それを善意、もとは善意のはずです、今も善意だと思うのですけれども。善意で世話をしてえさをあげている方々と、地域の方々とのあつれきというのはすごいものが地域によってはありまして、私のいたマンションなどでも相当問題になっていました。それで、地域猫を世話している方と地域の方々との間に生じる確執の克服について、少し大げさな言い方ですね、確執の緩和ですか、仲立ちというのですか。港区が行われている事案を改めて伺います。
◯参事(生活衛生課長事務取扱、保健医療施設計画担当課長事務取扱)(藤春伸一君) 飼い主のいない猫にえさをあげることは、動物愛護の観点から禁止することはできません。逆に、適正にえさをあげることは、ごみを荒らしたり、えさを求めて家へ侵入する猫の行動をなくすことにつながってもまいります。また、不幸な猫を増やさないために、飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を行うことが重要であるとともに、糞尿被害の対策としての清掃活動や猫のトイレの設置などが必要な場合もあります。第一に、活動を地域に理解していただくことが必要です。区では、このようなえさやりだけでなく、不妊・去勢手術や清掃活動、地域の理解を得るための広報等を行って、不幸な猫を減らす地域猫活動を支援しております。区では、不妊・去勢手術の費用助成を進めておりますが、平成21年度の助成を行った飼い主のいない猫の手術執行頭数は554頭でございました。また、猫に関する苦情や相談は減少傾向にあります。苦情相談対応は、総合支所の活動推進係が行っておりまして、現場で適正な地域猫活動を行っていただくよう助言を行っております。必要に応じて東京都の動物愛護推進員のご協力をいただいてもおります。平成21年度より動物関係の苦情相談対応の業務が、町会・自治会を担当する総合支所の活動推進係に移ったことから、地域へのアプローチや情報収集は円滑になっております。昨年11月には高輪地区の町会の要請を受けまして、町会の皆さんを対象に地域猫の学習会を行いました。東京都の動物愛護推進員の方に講演をいただき、質疑応答を行うなど、好評でございました。まちの猫問題を地域の環境問題としてとらえていただけるよう、取り組みを深めてまいります。
◯委員(赤坂だいすけ君) 取り組まれていただいているということです。地域猫について取り上げる議員の方も多くいらっしゃって、あくまでも猫派という感じでしたけれども、私は人派なので。昨今の風潮である、人間よりも尊いかのような、同等であるかのような論調には、全く私はくみしていません。
他区の事例を挙げてみますと、練馬区では、地域猫推進ボランティアグループというのを認定したり、そういう活動もしていると。どうなのですか、動機は善意としても、地域に迷惑をかけている方もやはりいらっしゃるわけで、ある程度、負託を受けてそういう世話をするという制度にしていかないと、限界なのではないかと私も思っているのです。
この内容は、地域猫推進ボランティアグループとして認定し、活動支援をすると。認定条件は、区の趣旨に賛同し、区とともにガイドラインに基づいて対策を推進する。練馬区内の特定地域において活動を行う。だから、私は認定されているのでどこでもえさをあげていいのだという活動はできなくなるわけです。成人2名以上で活動する、チームを組む。活動者または活動予定者のうち、代表者が練馬区在住であり、かつ構成員の半数以上が練馬区在住であるということで、ある程度の要件があるわけです。先ほど、猫おじさんのことを紹介しましたけれども、青山にいらっしゃるので、ぜひ見てみてください。地域とは隔絶した、ひげをかいているのですからね、本当なのですよ。ひげをかいて、もう本当に猫化してしまっているのです。町会長や町会の方が説得しても全然応じないのです。そういう方は、こういう制度をやれば、恐らく認定されないです。ただ、認定されたら、良識ある猫派の人に説得してもらうことはできると思うのです、蛇の道はヘビということもありますから。しっかりと認定された人が猫おじさんのことを説得してもらうという流れをつくっていった方がいいと思うのです。
質問なのですけれども、このような他区の認証制度、他区というか、1つの区しか挙げていませんけれども、このような認証制度を参照するに、港区の実情に合致する部分としない部分とございますでしょうか。
◯参事(生活衛生課長事務取扱、保健医療施設計画担当課長事務取扱)(藤春伸一君) 2月27日に、みなと保健所でまちの猫問題懇談会を開催いたしました。これは猫の不妊・去勢手術助成の申請者の方を中心に集まっていただきまして、地域猫活動の推進を図る場として設定しております。懇談会では、動物愛護推進員の方の講演と事例報告、参加者同士の交流を行いました。事例報告では、町会の取り組み事例もご紹介いただきました。参加者のご意見としましては、地域の理解を得るための取り組みに関することが多く、また活動の協力につながる参加者の交流も進みました。飼い主のいない猫への活動は、地域に認められることが重要です。地域に密接な関係を持つ総合支所と保健所が協力して、活動をしている方と地域との結束が強化されるよう支援してまいります。
ご提案の登録ボランティア制度につきましては、まだ今、港区の地域猫活動も少しずつ広がりを持っているという段階でございます。まだ登録基準の設定など、問題等もございますので、今後の研究課題とさせていただきまして、地域の皆さんに地域猫の問題は地域環境の問題だと考えていただけるよう、我々の方も努力してまいりたいと思います。
◯委員(赤坂だいすけ君) ぜひご参照していただいて、やはり猫と犬、ペットはペットですから、人と違いますから。ただ、やはり共生していく社会というのが望ましい。やはり、もともとネズミ駆除のために輸入されたのか、どうだったのですか、猫は。もともとはつないでいたのです。飼い猫としてつないでいた。それは慶長7年、1602年、つないで飼うことを禁止したのです、江戸幕府は。そこからこのような流れに、繁殖はしますから、定められた宿命です。ぜひ知恵を出し合って、動物をかわいがるという心も涵養しつつ、共生するいい社会になればいいと思います。
質問を終わります。